記事のポイント
スターバックスは試験的ロイヤルティ施策「コーヒーループ」を終了し、効果検証していた。
同プログラムは参加者数が非公開ながら、既存リワード戦略の見直しの一環として位置付けられている。
同社はリワード刷新や店舗体験の再強化、「Back to Starbucks」戦略を通じて、売上回復とブランド再構築を進めている。


米・スターバックス(Starbucks)は、ポイントプログラムの試験運用「コーヒーループ(Coffee Loop)」を4月30日に終了した。

スターバックスは2025年10月、一部のロイヤルティ会員が無料のドリンクを獲得できる方法として、このプログラムを開始した

「コーヒーループ」では、顧客はホットブリュードコーヒー、もしくはアイスコーヒーを9杯購入するごとに、いずれか1杯を無料で受け取ることができた。このプログラムは独立したWebサイトとして提供され、スターバックスのiOSアプリ内には含まれていなかった。

終了告知とテストプログラムとしての位置付け



4月23日、「コーヒーループ」の会員には、プログラムがあと1週間で終了するというメールが届いた。

「コーヒーループを日々の習慣の一部にしていただき、ありがとうございます! プログラムは4月30日をもって終了となり、お客様のコーヒーループもクローズされます。それまでは引き続きドット(ポイント)をためていただけるほか、すでに獲得済みの無料コーヒーとの引き換えも可能です」とメールには書かれている。

Modern Retailはスターバックスにコメントを求めたが、本記事公開時点で返答は得られていない。なお、同社は4月28日に、2026会計年度第2四半期決算を発表する予定だ。

スターバックスはこれまで、このプログラムを「いつでも終了する可能性がある」「テスト」と位置付けていた。さらに、いくつかの制限もあった。

たとえば、「9杯購入で1杯無料」のルールには、ニトロコールドブリュー、コールドブリュー、リフィルは含まれなかった。「リワード、プロモーション、パートナー特典のドリンク」も同様に対象外だった。

一方で、同じ取引内での複数購入は対象となり、顧客はポイントを獲得しながらホットコーヒーやアイスコーヒーをカスタマイズすることもできた。ただし、スターバックスは、何人の会員がこの試験プログラムに参加していたかを公表していない。

ロイヤルティ戦略の変化と業績への影響



「コーヒーループ」の終了は、収益の拡大と過去の売上低迷からの脱却に取り組んできたスターバックスにおける、最新のロイヤルティの変更である。

リワード会員は、これまでスターバックスの営業収益の大きな部分を占めてきた。2023年第3四半期には約57%にのぼっている。

3月、スターバックスはリワードプログラムを刷新し、3つの会員ティア(グリーン、ゴールド、リザーブ)を新設するとともに、どの商品でも最大2ドル(約300円)引きという新たな特典を導入した。また、ドリンクのパーソナライズに関する「フリーモッドマンデー(Free Mod Mondays)」も追加した。

1月、スターバックスは四半期中に90日間アクティブなリワード会員数が「過去最高」の3550万人に達したと明らかにした。CEOのブライアン・ニコル氏は決算説明会で、リワード取引も8四半期ぶりに前年同期比で増加したと述べた。

「実際、リワードと非リワードの取引がどちらも増加したのは、2022年度第2四半期以来のことだ」と、ニコル氏は付け加えた。

スターバックスは、2026会計年度第1四半期の全世界の既存店売上が4%増加したと報告した。

「バック・トゥ・スターバックス」戦略とブランド再構築



リワードプログラム以外でも、スターバックスは「バック・トゥ・スターバックス(Back to Starbucks)」と呼ばれる、より大規模な事業再建の真っただ中にある。2024年後半に同社に加わったニコル氏が、その取り組みを統括している。

2025年7月、スターバックスは新しい「グリーンエプロンサービス(Green Apron Service)」モデルを導入し、これを「オペレーション基準と顧客体験における最大の投資」と表現した。

このモデルはサービス提供スピードと接客の改善をめざしている。また、スターバックスは、2026会計年度末までに米国全土でカフェの座席を2万5000席以上追加することで、従来の「サードプレイス」体験を復活させたいと考えている。

スターバックスは、テイラー・スウィフトのリスニングパーティーや、YouTuberのミスタービースト(MrBeast)とのパートナーシップといった取り組みを通じて、ポップカルチャーの場面でもより大きな役割を果たそうとしている。

最近では、クラウド(Khloud)ポップコーンのような話題のブランドの取り扱いもはじめている。

期間限定カップでは、ファームリオ(Farm Rio)、ローラーラビット(Roller Rabbit)、ハローキティとのコラボレーションも実施してきた。

12月、スターバックスは、ファッションとビューティーのコラボレーションを統括する、同社初の役職に人材を採用した。

[原文:Starbucks ends its Coffee Loop rewards pilot after six months]

Julia Waldow(翻訳、編集:藏西隆介)