テレビ金沢NEWS

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金沢競馬の7歳馬「ズッシーノ」。99レース連続で未勝利ということで競馬ファンたちから注目を集めています。節目となった100レース目、悲願の初勝利となったのでしょうか?

競馬界の朝は早い。午前5時前とまだ日も出ていない時間帯だ。こうこうと輝く照明の下、馬たちがダートを駆ける。

競馬界の勝ち負けはシビアだ。レースの戦績は1着以外は全て敗け。生涯通じて勝ち星なしというケースもある。

そんな世界で戦い続ける7歳馬のズッシーノ。性別はオスにあたる牡馬(ぼば)だ。

調教師・鋤田 誠二さん:
「名血ですよね。血統としては悪くないです。おとなしい子ですね、扱いやすくて厩務員さんもクセがないって、性格はいい馬ですね」

親や祖父母がどの馬か、つまり血統が重要視されているこの世界で、ズッシーノの評価は決して悪くない。

そんな”彼”が、金沢競馬で密かな話題を集めていた。その理由は…

調教師・鋤田 誠二さん:
「丈夫な馬で…蓋を開けてみれば…え~え!もう99戦目で1回も勝っていない。まあまあいいレースはしているので、ただ勝っていないというだけで、結局ここまで来てますね。99戦まで」

2021年に高知競馬場でデビューしたズッシーノは、2年後に金沢へ移籍。

合わせて99ものレースを戦い続けた。

これまで、7度の2着と15度の3着。過去には1番人気の座に就くこともあった。

悲願の初勝利へ… 手を伸ばせば届きそうなところまでは来ている。

調教師・鋤田 誠二さん:
「いつか勝ちたいというか、その内容には(馬の状態が)来ているので、なかなか相手が1頭だけ強かったので、2番手とかそういうレースもいま多いので …何とか次の100戦目で決めたいのは決めたい」

そして、レース当日。

競馬ファン:
「勝たせてやりたいと応援しているけど、なかなかね。100戦目だから…」
「100連敗…いや100回目に勝ったらカッコいい」

レース前のパドックに姿を現したズッシーノ。

落ち着いて歩みを進める様は、文字通り”百戦錬磨”のベテランの姿そのものだ。

山東 徹也 記者:
「いよいよズッシーノの出番が近づいてきました。100戦目での悲願達成なるのか注目です」

このレースでは、単勝6番人気となったズッシーノ。100回目の正直か、それとも100連敗か…

一方、往年のファンからズッシーノの軌跡が、あの”名馬”を彷彿させるという声も上がった。

競馬ファン:
「昔のあの…ハルウララやね」

「ハルウララ」。その名前が全国にとどろいたのは、今から20年以上前だ。

くしくも、かつてズッシーノがいた高知に所属。

生涯成績は113戦全敗ながら「ハルウララブーム」で赤字に苦しむ高知競馬の救世主に。

健気に走り続ける生きざまから「負け組の星」という称賛を受けた。

調教師・鋤田 誠二 さん:
「ハルウララとか言われましたけど…管理者としては別に、負けの記録ってのはあんまり。それを目指しているわけではないので、たまたまそういう風になっているわけで、ここまで来たかなってい感じですけど。僕としては勝たせたいですね」

ズッシーノが欲するのは、負け組の星という称号でなく、あくまで勝利だった。

1番のゲートに入ったズッシーノ。1500メートル先で待ち受けるのは、連敗記録更新か、それとも歓喜か。

「スタートしました…」

レース序盤は出遅れ気味となったズッシーノ。

ただ、陣営に焦りはなかった。

調教師・鋤田 誠二 さん:
「後位3番手・4番手で4コーナーで前の馬を差し切るというレースですね。後位・差しですね。そういう戦法が多いです」

思惑通りレース後半になると、最後方からじりじりと順位を上げるズッシーノ。

そして、レースは最終直線へ。

「ゴールイン」

100回目の悲願ならず。ズッシーノは1着と1.6秒差の5着に終わった。

それでも…

調教師・鋤田 誠二 さん:
「結果は今回も勝てなかったですけども、馬自体はいいパフォーマンスしたんじゃないかと思って。盛り上げていただいて、ズッシーノが100戦目ということで、皆さんから注目されて、ありがたいことですし、ズッシーノも喜んでいると思います。ご声援をいただいて、ズッシーノにパワーをいただいて、いい結果が出るように次は頑張りたいと思う」

負けても負けてもひたむきに走り続けるズッシーノ。

皆が望む初勝利への期待をずっしりと背負い、これからも金沢競馬場を走り続ける。

5月5日に101戦目に出走するも5着という結果のズッシーノ。

しかし、鋤田調教師は「今後も状態を見ながらレースで使います」とコメントをしています。