再びアジアの舞台へ…町田主将・昌子源の想い「2〜3人が知っていても意味ない。みんなで経験したことが来年、再来年に生きる」
「(リヤド・マフレズと対峙して)元プレミアリーグだろうが何だろうか、みんな人間なんだなと思いました。手が届かないわけじゃないですし」と3バック中央に陣取る岡村大八も話していたが、それだけの自信と手応えをつかんで日本に戻り、明治安田J1百年構想リーグの終盤戦に気持ちを切り替えているのだ。
その意気込みは前半から色濃く出ていた。町田はシステムのミスマッチを生かし、サイド攻撃を多用。序盤から林幸多郎、エリキらが次々とクロスに飛び込んで、鹿島ゴールを脅かす。開始16分のエリキの決定機は名手・早川友基に止められたが、前半のシュート数は5対3で鹿島を凌駕。ゴールこそなかったが、主導権を握りながら、試合を折り返した。迎えた後半、鹿島はギアを上げてきて、立ち上がり5分にワンチャンスから先制点を奪う。柴崎岳の右CKを鈴木優磨がファーで折り返し、これを昌子がヘッドでクリアした。しかし、クリアが小さくなり、柴崎に拾われ、頭で中に入れられたラストパスをレオ・セアラに仕留められてしまったのだ。
「チームとして一瞬、集中力を欠いた? そう言われても仕方ないところだと思いますし、テテのところで弾けたんちゃうかなと。レオをフリーにさせてしまったので。セットプレーは鹿島の強みの一つ。どんなに流れが悪くても取ってくるんで、彼らが先に先制すると難しくなりますね」と昌子は常勝軍団の底力を知るだけに、悔しさひとしおだった。
それでもわずか3分後に自身のFKから背後に抜けたナ・サンホに精度の高いボール供給し、テテ・イェンギの同点弾を演出したのはさすがと言えるだろう。「僕からの右足はチームの武器の一つ。今日はちょっと安定感がなくて、全体に精度を欠いていましたけど、あの場面は(植田)直通と濃野(公人)君の間が絶対に空いてくると思った。1本あるかないかのサンホへのボールを通そうと思っていたんで、そこを通せたのでOKです」と瞬時のリカバリーに昌子自身も手ごたえをつかんだ様子だった。
ここから一進一退の攻防が続き、鹿島に決定機も作られたが、1−1のまま90分が終了。PK戦へともつれ込んだ。名手・谷晃生が陣取っている以上、町田が有利かと思われたが、この日は下田北斗と前寛之が失敗。PK負けで勝ち点1にとどまった。
「でも、90分で見れば引き分け。相手がやりたいような試合はできなかったし、鹿島さんも多分俺らのことは嫌やと思ったと思う。今のウチは何点も取れるチームでは正直ないので、限られたチャンスを確実に決めることが大事。そこもサウジでACLEを経験して痛感した部分ではあるので、質を求めていきたいです」と首位・鹿島と1試合少ない中、勝ち点9差という厳しい現実を踏まえながら、昌子はあくまでJ1百年構想リーグ優勝を貪欲に狙っていく構えだ。
