200坪超の高級戸建て需要も…「富裕層」に支持され続ける〈渋谷区の高級住宅街〉3選【不動産コンサルタントが解説】

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破竹の勢いで高騰が続く都心5区の不動産。なかでも大規模再開発を進める「渋谷区」において、富裕層から支持を集め続けるエリアが存在します。彼らは単なる価格やスペックではなく、歴史や環境といった「見えない付加価値」で住まいを選んでいるのです。本記事では、柳澤寿志子氏の著書『富裕層を魅了する 東京一等地不動産』(星野書房)より一部を抜粋・再編集して、富裕層が注目し続ける「渋谷区エリア3選」を紹介します。

富裕層がこぞって資産を投じる「渋谷区の高級住宅街」3選

現在の渋谷駅周辺は様変わりしており、駅を使うたびに迷うほど、東急不動産による開発が進んでいます。

1. 松濤、神山町

渋谷区でも有数の高級住宅街である松濤と、それに隣接する神山町は、鍋島藩が所有する地域でした。現在も、鍋島松濤公園が残っています。

どちらも一軒一軒の敷地が大きく、「高級戸建てを建てたいから、200坪以上あれば買いたい」という声がかかるエリアです。

2. 広尾

広尾は、歴史的背景と現在の居住環境が重なり合う、都内でもとくに成熟した住宅地のひとつです。駅の通りを挟んで有栖川宮記念公園周辺は港区に属し、渋谷区側には広尾ガーデンヒルズや聖心女子学院、東京女学館などの教育機関が集まっています。

これらの学校に通う家庭を中心に、常に高級戸建やレジデンスを求める層が一定数存在し、安定した富裕層の居住エリアが形成されてきました。

また、広尾駅周辺にはナショナル麻布をはじめとするインターナショナルな生活インフラが整っており、海外駐在員外国人居住者も多く見られます。大使館や国際的なコミュニティと関わりが深かったという歴史的背景もあり、多文化が自然に共存する住宅地として発展しています。

このような環境が重なり、広尾は国内外の富裕層から継続的に支持される、人気の高い高級住宅エリアとしての位置づけを保っているのです。

3. 南平台

南平台(現在の町名は南平台町)は、歴史的に政界・文化人の邸宅街としての実績を持ちます。過去には岸信介・三木武夫といった要人が邸宅を構えた地でもあり、戦後期から高級住宅街としての認識が根付いてきました。地名の由来は、「神泉谷に対して南側の高台の平らな地」という地形的特徴に基づくと言われています。

渋谷駅・神泉駅といった賑やかなスポットが徒歩圏にありながらも、交通の喧騒から一歩離れた閑静さが保たれる点が評価され、現在も高級住宅地で外国大使館や富裕層に人気があり国際色もあるエリアです。

価格ではなく「見えない価値」で不動産を選ぶ富裕層

富裕層の思考は、意外なほどこのような「見えない部分」にあります。

持っている資産の総額が大きいため、価格そのものを細かく考える必要がありません。価値の置きどころが、そもそも異なるのです。

モノとしての価値よりも、その先にある価値を見ています。それは、これまでに見てきたもの、体験してきたことから、自然に身についた感覚なのでしょう。

だからこそ、モノとしての価値は当然きちんと押さえたうえで、さらに付加価値を重ねていく思考が、富裕層にはあります。

柳澤 寿志子

不動産コンサルタント