式典で笑顔を見せる尾畠春夫さん(21日午後6時36分、大分市で)=田中勝美撮影

写真拡大

 被災地支援などに駆け付ける「スーパーボランティア」として知られる尾畠春夫さん(86)が21日、大分県初の夜間中学校「県立学びヶ丘中学校」(大分市)に入学した。

 子どもの頃に十分に学べなかったという尾畠さん。「ボランティアで役立つ社会科や国語も学びたい。一歩でも前に進みたい」と意気込む。

 尾畠さんは、小学生の頃から農家で働き、小学5年から中学校卒業までほとんど学校に行けなかった。中学卒業後は、鮮魚店を営むと決め、各地で修業を積み、20歳代後半で同県別府市で店を構え、65歳まで続けた。

 ボランティア活動にも精力的に取り組み、2011年に起きた東日本大震災では被災地に入って支援、18年には山口県周防大島町で行方不明になっていた男児を山中で発見するなどした。こうした活動に奔走する中、尾畠さんは大分市に夜間中学が開校されるのを知り、「すぐに入りたい」と、入学を決めた。

 同中学校を併設する県立爽風館高でこの日開かれた開校記念式典と入学式。尾畠さんも新入生36人の1人として参加し、点呼で名前を呼ばれると、大きな声で「はい」と返事をした。

 式典後、尾畠さんは報道陣の取材に対し「『やるぞ』とそれだけ。習ってこなかったことを1万分の1でも学びたい。ボランティアにも生かしたい」と声を弾ませた。