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 良質な睡眠は、いまや希少な健康資源になりつつある。いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩み、CPAPやマウスピースを手放せない人も多い。しかし、理学療法士として独自の身体調整術を展開する山内義弘氏は、市販の絆創膏一枚でその苦しみから抜け出す道を提唱。著書『絆創膏を貼るだけ整体』は10万部を超えるベストセラーとなった。
また、「糖質から脂質へのシフトチェンジ」を説き、『なぜヒトは脂質で痩せるのか』(扶桑社新書)が発売即重版となった作家の金森重樹氏も、現代人の睡眠に警鐘を鳴らす一人だ。本稿では、山内氏と金森氏に現代人の不調を一掃する意外なメソッドについて語ってもらった。

◆絆創膏の知られざる効力

――山内さんは、市販の絆創膏を使ったケアを推奨されています。怪我の処置でもないのに、なぜ絆創膏を貼ることで体に変化が起きるのでしょうか。

山内 絆創膏は、実は全身のあらゆる不調に作用する強力なツールです。首の痛み、肩こり、腰痛、股関節の可動域制限、指先の強張りまで、貼る位置によってさまざまな変化をもたらしてくれます。

金森 それってどういうメカニズムなんですか?

山内 人に本来備わっているセンサーを、正しく作動しなおすイメージです。狙っているのは、関節の中にある関節包と、筋肉の繊維の中にある筋紡錘というセンサーへのアプローチ。ここには位置やスピード、負荷を感じ取る機能があり、絆創膏を皮膚の上から貼ることでその信号を引き出すきっかけになるんですね。

 たとえば筋紡錘に対しては、ほんのわずかでも「筋肉が伸ばされた」という情報が伝われば、働きが正常化する。脳へ正しい位置情報を送ることで、過緊張している筋肉を緩めるという仕組みです。高価な器具も薬も要らない。皮膚をミリ単位で操作するだけで、体は本来の柔軟性を取り戻します。

金森 皮膚反射を利用して関節受容器を活性化させるアプローチですね。これは面白い。

◆快眠を導く絆創膏の貼り方とは⁉

山内 そして、この絆創膏ケアが顕著な効果を発揮するのが、睡眠の問題です。いびきや睡眠時無呼吸症候群は今やポピュラーな症例として多くの人が頭を悩ませています。中には深刻な状態の人もいる。ただ、その多くは枕や機械を導入する前に、絆創膏一枚で改善の兆しが見えることもある。

金森 睡眠の質が落ちることは、健康維持において重大な問題ですからね。脳に貯まった老廃物を排出する大切な時間なのに、現代人は睡眠リズムが乱れまくってしまっていますから。

山内 仰るとおりです。睡眠中に呼吸が止まる、あるいは呼吸が浅くなる原因は、喉の奥にある「肩甲舌骨筋」という細い筋肉の緊張にあります。現代人はデスクワークやスマートフォンの操作で肩甲骨が前方に巻き込み、この筋肉が舌骨を引っ張って気道を物理的に押し潰しているわけです。

 では、どうするか。耳の後ろから外側へ皮膚を持ち上げるように絆創膏を貼り、さらに肩甲骨の外側から首の付け根に向かって引き上げるように貼る。これだけで呼吸が楽になり、ストレートネックによる気道の圧迫も解消されます。

金森 睡眠の不調は血糖値の変動とも密接に絡んでいますよね。夜に糖質を過剰に摂るとインスリンが分泌され、寝ている間に反応性低血糖を引き起こします。すると体はコルチゾールを主に放出し、持続的な筋肉の硬直や食いしばりを招いて呼吸阻害の悪循環に陥るとも言われています。

山内 仰る通り。筋肉の緊張を解くには、金森さんが言うような栄養面でのリセットと、私が提案する物理的なリセットの両方が要ります。呼吸が楽にできるようになれば深い眠りにつけ、翌朝の目覚めが変わります。特にマグネシウムが重要です。私はにがりを摂っているんですが、マグネシウムによって筋肉の緊張が解けます。