TOEICで満点(990点)を100回以上取った男の幼少期とは?「家で勉強しない」独自の学習スタイルには“原点”が

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TOEIC L&Rテストで100回以上の満点(990点)を取得し、現在は大学での教鞭や膨大な執筆活動に心血を注ぐ茺粼潤之輔氏。その驚異的な継続力と、アスリートにも似たストイックな姿勢はどこで培われたのか。新著『中学英語でつまずいた人が読む本』(日経BP)の刊行を機に、これまで語られることのなかった幼少期の環境や今の学習スタイルに通じる「継続力」について話を聞いた。
◆毎日勉強する習慣が自然に形成された

――「TOEIC満点100回以上」という数字に圧倒されますが、やはり幼少期から英才教育を受けられていたのでしょうか?

茺粼潤之輔:今まで幼少期の環境が「継続力」に直接結びついているとは考えたことがなかったのですが、振り返ってみるとその原点は小学校低学年の頃にあると思います。でもうちは決して裕福ではなく、英才教育でもなかったんです。当時は塾にも行かず、家で母親が買ってきてくれた漢字と計算のドリルを毎日1枚ずつこなしていました。母親は解いて見せたら丸をくれるだけでしたが、そこで自然と1日10〜20分、とにかく毎日勉強する癖がついたのだと思います。

◆「歌う英会話教室」で洋楽に興味を持つように

――家庭での習慣が継続力の基礎となったのですね。その後、英語との接点はどのように広がっていったのでしょうか?

茺粼潤之輔:小学校高学年になり、父の仕事の都合で少し家計に余裕が出てきてからですね。ピアノや習字に加え、個人の先生が自宅で開いているような英会話教室にも通い始めました。でもその教室は英語の曲を歌うのがメインで、書くことよりも発音や「音」に親しむ場所だったんです。

――その経験が英語好きに繋がったのでしょうか?

茺粼潤之輔:そうですね。教室でビートルズなどを歌ったのをきっかけに、洋楽にどっぷりハマりました。テレビ番組の『ベストヒットUSA』やラジオを毎週チェックして、歌詞を調べたり歌ったり。当時は勉強という感覚がなく、完全に「遊び」として英語の音を吸収していました。今でもこれが私のリスニング力の大きな貯金になったと感じています。

◆「特殊な塾」で身につけた効率意識

――中学時代はどのような学習環境だったのでしょうか。

茺粼潤之輔:中学時代に通っていた塾が非常に個性的でした。東大卒の先生がいたのですが、黒板で何かを教えることは一切せず、とにかく「教科書の見開きページを完璧に暗唱しろ」というスタイルで……。暗唱して先生の前で全部言えたら合格。早く終わればその時点で帰れるけれど、できなければ夜11時まで居残りさせられるという「ノルマ制」だったんです。

――なかなか特殊な環境ですね。

茺粼潤之輔:でも、その環境が良かったんです。その塾のおかげで「なるべく早く終わらせて時間を大事にしたい」という効率意識が身につきました。家でダラダラやるのではなく、塾という場所で集中して終わらせる――。実際、その塾の仲間は皆、それぞれの学校で瞬く間に成績上位を獲得していったんです。限られた時間内でタスクをこなす「集中力の基礎」は、そこで出来上がったのだと思います。

◆「隙間時間」に学習時間を確保

――現在も多忙な中TOEICを受け続けていらっしゃいますが、いつ学習時間を確保されているのですか?

茺粼潤之輔:実は、昔から家で机に向かってがっつり勉強することはほとんどないんです。サラリーマン時代にTOEICで満点を取り始めた頃もそうでしたが、勉強はすべて生活動線の隙間や外出先で完結させています。例えばお風呂の時間。脱衣所から出てくるまでの約45〜50分間、防水スピーカーでTOEICのリスニング問題1回分(100問)を流しっぱなしにします。それから通勤などの移動時間。分厚い公式問題集を縮小コピーして手帳サイズにし、混んでいる電車内でも見られるように工夫していました。