「アンチは養分です」。炎上しても笑い飛ばし、収益を全額寄付する“建設インフルエンサー”の媚びない強さ
プリンセスゴリラ:生まれも育ちも福岡県で、大学進学で上京するまでいました。母はインフルエンサーで、父は建設業界で働いています。この両親が結婚したら、私が生まれるよな、と心から思います(笑)。たぶん、恵まれて育ってきた自覚があるから、ボランティア活動をさせていただいているのかもしれません。
◆なぜか両親は離婚していた
――ごく一般的な家庭ですか。
プリンセスゴリラ:いや、変ではあります。母は性格的に非常に社交的で明るく、どんどん外に出ていくタイプの人です。父は保守的な性格で、「女は結婚したら家庭に入って、子どもの面倒をみる」という価値観です。私が就職したときも、そうあってほしいと思っていたと思います。そんな正反対のふたりだから、子どもながらに「なんで結婚したんだろう」と思っていました。当時、母はバイヤーとしてさまざまな場所を飛び回っていて、たまに家に帰って来る感じだったんです。ところが、私が20歳になる頃にパスポート取得のために戸籍を取り寄せてみたところ、両親が離婚していたことがわかりました(笑)。それも小学校低学年くらいの時点では別れていて……。どういうこと? となりましたね。今も家族4人仲良くてご飯にも行くので、はたから見ると離婚しているとは思わないでしょう。
プリンセスゴリラ:父親いわくなのですが、もともと合コンか何かで母とは知り合ったようです。しかしそのときは何もなく、たまたま航空機内で彼女がCAとして勤務していたのを見かけたそうなんです。お客様の赤ちゃんを代わりに抱っこする母を見て、「まさに聖母だ。絶対にいい母親になる」と確信して、アプローチをかけたらしいです。ただ、母の中身はまったく違いますから、見当違いなのですが(笑)。
◆「アンチは養分」と断言
――ところでたびたび投稿が話題を呼んでいますが、意識しているのでしょうか。
プリンセスゴリラ:いや、全然していないです。ちょっと前は、会社に持っていっている弁当が「生ゴミみたいだ」とプチ炎上していましたね。ジップロックのなかに具材を入れて持ち運んでいるだけなんですけど……弁当箱も不要だし、汁も漏れないし、そのまま捨てられるし良いことだらけだと思うんですが、話題になってしまいましたね。
――炎上すると精神的にきつくないですか。
プリンセスゴリラ:きつくないです。心のなかで「アンチありがとう」って思ってますね。燃えれば燃えるほど収益が伸びて、寄付がたくさんできるので。アンチは養分です。
――すごいメンタルです! お話を聞いていると、誰かを応援することが好きなように感じます。
プリンセスゴリラ:それはあるかもしれません。福岡出身ということもあって、ソフトバンクホークスが好きなのですが、現在は2軍の選手に非常に思い入れがあるんです。Bambiesという団体があって、若鷹応援メディアとして彼らを応援するサイトを立ち上げている方々がいます。私はこれを見ながら、2軍選手の動向を知るのが日課となっています。
――どんなところが魅力ですか。
プリンセスゴリラ:彼らは1軍を目指して熱い気持ちでプレイしていて、その目はギラギラしています。でも現実は、明日契約を切られる可能性もあるわけです。その「次がないかもしれない」という緊張感は独特で、「絶対に報われてほしい」と前のめりで応援させる力があるんです。
――今後の展望を聞かせてください。
プリンセスゴリラ:欲張りなので3ついいですか。
――どうぞ(笑)。
プリンセスゴリラ:ひとつは現場で大きな工事を経験することですね。そして、2軍の始球式で投げること。最後に、もっと自分が有名になってこれまで寄付に興味がなかったり考えたこともないような人たちが、行動するきっかけになることです。
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インタビュー終わりに、改めてプリンセスゴリラさんの名刺に目を落とす。軽やかに颯爽と駆け抜け、それなのに思慮深い彼女の輪郭が、はっきりと浮かんだ。
<取材・文/黒島暁生>
【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
