誰もが軽自動車に対する認識を大きく変える!『ホンダN-ONE e:』の走りは感動レベルの高級さ【ザ・国産EV検証 #5】
高級感のあるデザイン
ホンダの軽自動車、『Nシリーズ』にラインナップされる『N-ONE』。そのFWDモデルをベースとするBEVとして誕生したのが『N-ONE e:』だ。
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N-ONE e:には『e:L』(価格319万8800円)と『e:G』(同269万9400円)の2グレードが用意されており、大きな違いはLが普通充電ポートに加えて急速充電ポートを標準で装備するのに対して、Gでは急速充電ポートがオプションとされること。実用性を考えれば多くのユーザーはLを選択するだろう。

取材車はN-ONE e:の上級グレードとなる『e:L』(価格319万8800円)。 平井大介
最近の軽自動車の主流ともなっている、いわゆるハイトワゴン系モデルを見慣れた目に、N-ONE e:のボディはとてもコンパクトなものに映る。実際にその全長×全幅×全高は3395×1475×1545mmしかないから、このような印象を抱くのは当然なのだが、そのデザインから軽自動車らしからぬ高級感を覚えるのは嬉しい。
そしてさらなる驚きは、キャビンの上質な仕上げにもあった。
直線を基調に端正に仕上げられたそれは、きわめて機能的な空間で、シートの座り心地も個人的には軽自動車のそれとは信じられないほどに素晴らしく感じた。使い古された表現ではあるが、それはまさに『小さな高級車』の世界だ。
日産サクラを100km以上も上回る
N-ONE e:がフロア下に収納するリチウムイオンバッテリーは、薄型デザインと温度管理を徹底して追求したことを特徴としている。総電力量は29.6kWhだ。
一充電走行距離はWLTCモードで295kmと発表されているが、これは日産サクラを100km以上も上回る数字になる。価格はこのLグレードで319万8800円と同様の比較ではやや割高だが、航続距離の長さは大きな魅力だ。

こちらは『e:G』(価格269万9400円)。ホイールがLのアルミに対しスチールとなる。 平井大介
実際にドライブしてみたN-ONE e:の走りは、そのエクステリアやインテリアのフィニッシュから想像していたとおりに、常に高級感に包まれていた。
最高出力で64ps、最大トルクでは162Nmを発揮するエレクトリックモーターの性能は、1030kgの車重を負担するには必要にして十分なもの。発進時の動きもナチュラルに制御されている。
もちろんさらに俊敏な加速を期待したいのならば、アクセルペダルを強く踏み込むことで、BEVらしい瞬時に得られる最大トルクを味方にした、スポーティなフィーリングを楽しむこともできる。
そしてこのN-ONE e:の走りに感動的なまでの高級感を生み出している最大の理由は、その静粛性にある。BEVなのだから静かなのは当然という考えもあるかもしれないが、モーターからのノイズは実際にキャビンへ伝わることはほとんどないし、ロードノイズも最小限に抑えられている。
振動への対策が素晴らしいことも特筆すべきポイントだ。そのドライブを体験すれば、誰もが軽自動車に対する認識を大きく変えるのではないか。14インチ径のタイヤを装着しながら、ここまでの乗り心地を実現したことは個人的に最も高く評価したいところだ。
その気になれば十分にスポーティな走り
今回の試乗は、短時間ではあるがクローズされたテストコースで行われたため、日常的なN-ONE e:の使用パターンではあまり経験することがない、ややハードなコーナリングなどを試すこともできた。
前で触れたフロア下のバッテリー重量は約190kg。それによって低重心が実現していることで、ハンドリングにも大きな安心感を生み出している。さすがにスポーツカー並みとはいえないものの、その気になれば十分にスポーティな走りを楽しむことができた。

N-ONE e:は軽自動車BEVの中でも、とりわけ大きな魅力を持つモデルだ。 平井大介
ホンダはこのN-ONE e:のカスタマーターゲットを、実用的なセカンドカーを求める女性と想定しているようだが、実際にはより幅広いカスタマー層にその魅力が認められることは間違いない。
N-ONE e:は、現在市場にある軽自動車BEVの中でも、とりわけ大きな魅力を持つモデルであると結論づけてもよいだろう。参考までにホンダからの発表によれば、その購入時には国からの自家用CEV補助金として58万円が、そして東京都の場合ならば、地方自治体からのZEV補助金として40万円〜が支給されるという。
それを考えればコストパフォーマンスの高さも見逃せないところ。軽自動車BEVのさらなる普及に、このN-ONE e:はとても強い追い風となりそうだ。
