「原油急騰」で半年後に値上がりする「リアルな食料品と日用品」リスト108

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トランプ大統領の一挙一動に世界経済が振り回される。中東の石油に9割依存する日本への悪影響は甚大だ。半年後の物価を詳細に分析した。

物価上昇は始まったばかり

トランプ大統領がイスラエルと始めた「イラン戦争」が世界経済を震撼させている。

イランは世界の原油の約2割が通過するホルムズ海峡を事実上封鎖。世界的に原油価格が急上昇している。

「原油急騰は、まずガソリン価格という形で即座に顕在化します。これがいわば『ファーストインパクト』で、その後、影響は経済全体へと広がっていく。典型的なのが運輸分野です。航空業界や陸運などの輸送コストの上昇は、広範な物流コストの増加を招きます」(第一生命経済研究所主席エコノミストの星野卓也氏)

中東の原油に約9割を依存する日本ではガソリン価格が一時1リットル=190円にまで上昇した。政府はこれを170円に抑えるために補助金を支給している。

攻撃当初はトランプ大統領も「すぐに終結する」と豪語していたが、現時点で混乱は長期化すると見る識者が多い。

原油高は資源小国の日本にとって致命的だ。物価高という形となって国民の財布を直撃し、景気を悪化させかねない。星野氏が続ける。

「さらに数ヵ月のタイムラグを伴い、電気やガス料金にも波及します。原油を原料とするプラスチックや包装資材などの石油化学製品の価格も上昇し、スーパーやコンビニといった流通全体にコストプッシュ圧力がかかります」

さらに原油高は化学肥料の価格上昇も促す。その結果、農業のコストを押し上げ、最終的に食料品の価格に転嫁されていくことになる。

「原油価格の上昇は川上から川下へと段階的に広がっていき、最終的には消費者にとって最も身近な生活必需品の価格上昇として現れるわけです。こうした価格転嫁には時間差があり、一般的には半年から1年かけて物価が上がっていきます」(星野氏)

そこで本誌は複数の専門家に、主要108品目の食料品や日用品、サービスなどが直近の価格('26年2月時点)から半年後に何%程度値上がりするかを聞いた。各氏の分析を総合し、「予想価格」として編集部でまとめたのが次ページからの表だ。

「優等生」卵も大きく値上がり

これを見ると、物価上昇は食料品で顕著だ。なかでも牛肉や鶏卵は2割以上の値上がりが予想される。節約アドバイザーの丸山晴美氏が言う。

「円安も相まって、とうもろこしなど飼料価格も高騰しており、輸送費も上昇することから牛肉や豚肉の価格が急上昇すると思います。

同様に牛乳もすでに値段が上がっていますが、1パック300円になってもおかしくありません。バターやチーズ、ヨーグルトなどの乳製品もさらに上がるかもしれません」

加工食品は、原材料の上昇もさることながら、包装材や容器の値上がりによって高騰を余儀なくされそうだ。原油から石油を精製する際に生まれる液体「ナフサ」価格の高騰が物価高の要因になっていると、流通アナリストの渡辺広明氏が指摘する。

「ナフサを高温で熱分解することで、プラスチックや化学製品の原料となるエチレンが製造されます。日本はナフサ輸入の約7割を中東に依存していて、ナフサの価格が上がれば、エチレンの価格も上がります。

エチレンは食品容器や包装フィルム、プラスチックボトルなど多岐にわたる分野で使用されており、価格高騰の影響は3ヵ月から半年後に現れるでしょう。今年の夏以降、プラスチックを多用する商品に価格上昇圧力が強まります」

その結果、カップ麺や納豆、食用油、レトルトカレーといった商品の大幅な値上がりが予想されるわけだ。

ラーメン一杯1000円以上は当たり前

外食産業も値上げを強いられる。前出の丸山氏が言う。

「ラーメンもかつては庶民の食べ物でしたが、人気店では今や1000円以上が当たり前。外国人にも人気で、インバウンド需要もあって値上がりしています。そこに小麦や肉、光熱費すべてが上がるため、平均でも20%程度の上昇は避けられないでしょう」

原油価格の上昇は為替を通じても物価上昇につながるおそれがある。それが、さらなる円安ドル高だ。

「原油はドル建てで取り引きされるので、輸入増はドル需要を高め、円安要因となります。資源高で貿易赤字が拡大すれば、円安が進行し、エネルギーにとどまらず、輸入食料品などの価格も上昇しやすくなります」(前出・星野氏)

仮に為替が1ドル=170円の超円安水準に達すれば、その影響はより広範囲に及ぶ可能性がある。

【後編を読む】政府の物価高対策が逆効果に…最悪の「円安シナリオ」と値上がりする「意外なモノ」

「週刊現代」2026年4月13日号より

【つづきを読む】政府の物価高対策が逆効果に…最悪の「円安シナリオ」と値上がりする「意外なモノ」