雨が増えたけれど 県内のダムの貯水率は? 田植えを前に影響は 福岡
福岡県内ではことし2月以降、雨が降る日が増えましたが、水不足が懸念されているダムの貯水率は回復しているのでしょうか。ダムや農業の現場を取材すると、意外な現状が見えてきました。
去年の秋以降、筑後川水系では記録的に雨が少ない状況が続いていました。
ことし2月、3月と雨の降る日が多く、朝倉では平年並みの降水量を観測しましたが…。
4月9日、時折小雨が降る中、福岡県朝倉市の江川ダムを訪れました。
「ダムの底が見えてしまっています。ひび割れも目立ちますし、草も生えてしまっています。」
福岡都市圏などに水を供給する筑後川水系の江川・寺内・小石原川の3つのダムの貯水率は、9日午前0時時点で7.3%でした。
この状況に、ダムの担当者は。
■水資源機構 筑後川上流総合管理所・篠原亮二 副所長
「(貯水率は)平年の約1割なので、異例の状況と認識をしています。」
貯水率が8%を切ったことし2月以降、断続的な雨が降ったことなどで、貯水率はほぼ横ばいですが、依然として厳しい状況に変わりはありません。
さらに今、頭を悩ませるのが。
■篠原 副所長
「田植えと代(しろ)かき、そういった作業が今後、想定されます。」
江川ダムの流域では今後、田植えなどの農業用水でダムの水が利用される見込みです。
十分な水が供給できないと農作業に影響が出る恐れがあり、一刻も早く貯水率を回復させたいと考えています。
■篠原 副所長
「水を使う時期が来るので、そこへの影響がないか、我々も心配しています。引き続き、節水の取り組みをお願いしたいと思っています。」
生産現場でも懸念が広がっています。
■農業・佐藤弘也さん
「ここは今、麦を栽培している圃場(ほじょう)ですが、6月中旬くらいから水が来て田植えが始まります。」
福岡県久留米市で農業を営む佐藤さんは、コメや野菜などを生産していて水不足に不安を感じています。農業用水が足りなければ、稲が枯れたり、粒が白く濁ったりする影響が出る恐れがあるといいます。
■佐藤さん
「食味は変わらないが、見た目で等級が下がってしまうので、うまく管理しないと売り上げが下がってしまうので心配です。」
さらに今、重荷となっているのが中東情勢の緊迫化です。
■中村記者
「トラクターなどに使う燃料だけでなく、こういった肥料にも価格への影響が出ているということです。」
年間でおよそ2000袋の肥料を使う佐藤さんのもとに、メーカーから6月以降、価格が上がる見込みだと連絡がありました。
日本の場合、肥料の原料を中東に依存する割合は高くありませんが、日本では生産できず輸入頼みのものもあるということです。
1袋あたり700円値上がりする肥料もあるということで、経営に与える影響は小さくありません。
■佐藤さん
「生産するコストがかなり高くなってきているので、価格に転嫁できれば継続できるが、この状態が長く続くと、利益が確保できない。」
この状況が長く続けば、農業をやめる人も出てくる恐れがあり、早期の事態収束を願っています。
■佐藤さん
「平和が一番で、僕たちも安定的にものを作れる状態。物価も上がってきているので、帳尻が取れた値段になることが農家が願っていることではないのかなと思います。」
長引く水不足と中東情勢の緊迫化、私たちの生活に影響を及ぼすだけに、一刻も早い事態の改善が望まれます。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年4月9日午後5時すぎ放送
