司法はトランプ大統領を止められるか? 憲法修正14条に基づく「出生地主義」をめぐる攻防
【トランプ2.0 現地リポート】
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トランプ大統領の政策をめぐる司法の動きが活発になっている。つい先日、ホワイトハウス改築が議会承認なしには進められないとして、連邦判事により差し止められた。既に最高裁で権限逸脱と判断された関税措置とあわせて、大統領に不利な判断が続いている。
支持率が3割台半ばまで落ち込む中、大統領はイラン戦争などの政策を強行し、世界経済や市民生活に大きな影響を与えている。一方で議会はその歯止めの役割を十分果たしているとはいえない。三権分立がゆらぐ中、最後の歯止めとして司法に望みを託す空気が広がっている。
そうした中、最高裁ではアメリカという国のあり方を根幹から揺るがしかねない、重大な案件が審理されている。「出生地主義」だ。
「米国で生まれた子供に自動的に国籍を与える」この制度は、1868年、南北戦争直後に成立した憲法修正14条に基づく。解放された黒人奴隷を市民として受け入れるための条文だった。
しかし、トランプ氏は第2次政権発足と同時に、この制度の見直しを命じる大統領令に署名した。連邦判事がすぐに差し止めたが、政権側が上告し、4月1日、最高裁で初の口頭弁論が行われた。
異例だったのは、トランプ氏が現役大統領として初めて法廷で傍聴したことだ。しかし、保守が6対3で大多数を占める最高裁においても、判事らはトランプ氏の主張に懐疑的だったと報じられている。
トランプ氏は「出生地主義を採用しているのはアメリカだけ」と繰り返すが、これは正しくない。カナダやブラジルなど主に南北アメリカの移民国家を中心に、33カ国が同様の制度を採用している。ヨーロッパ、日本などの国では行われていないが、移民の増加に伴い、方針を変えようとする動きもある。
トランプ政権は特に、不法移民や短期滞在の子供への市民権付与に反対する一方で、南アフリカの白人は難民として受け入れる措置を取っており、「誰を受け入れるのか」という基準に人種的な偏りがあるとの批判も強まっている。
最新の世論調査では、出生地主義を支持する声が6割から7割近くに達している。
最高裁の判断は、6月末までに示される見通しだ。
(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)
