「103万円」の壁が「160万円」に!? パートを週3から週5に増やしたら、夫の税金や配偶者控除にどんな影響が出る?
所得税と配偶者(特別)控除に関する「壁」
いわゆる「壁」と表現されるものは多種ありますが、ここでは所得税と配偶者(特別)控除に関する壁に絞って見ていきましょう。
103万円・160万円の壁の概要
103万円の壁および160万円の壁は、所得税に関連する壁です。103万円の壁は、従来では「収入が103万円を超えた部分について所得税が課税される仕組み」でした。
給与収入を得ている人の場合、基礎控除の48万円と給与所得控除の55万円の合計103万円の控除が適用されました。つまり収入が103万円までであれば所得税は非課税ということです。
しかし税制改正により、令和7年12月1日からは、103万円の壁が160万円の壁に変わりました。新しい税制は令和7年分から適用されます。
新税制では基礎控除が「最高95万円」まで、給与所得控除が「65万円」に引き上げられました。基礎控除は合計所得金額に応じて変動します。表1に、所得額に応じた基礎控除の額をまとめました。
表1
()内は給与のみの場合の収入目安 基礎控除額 132万円以下
(200万3999円以下) 95万円 132万円超336万円以下
(200万3999円超
336万円以下
475万1999円以下) 88万円 336万円超489万円以下
(475万1999円超665万5556円以下) 68万円 489万円超655万円以下
(665万5556円超850万円以下) 63万円 655万円超2350万円以下
(850万円超2545万円以下) 58万円
出典:国税庁「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A」を基に筆者作成
端的に言えば、収入が160万円までであれば所得税が非課税となります。今回のケースでパートの日数を増やしても、この額に収まっており、ほかに所得がなければ所得税は0円です。
配偶者(特別)控除は年収160万円まで満額適用される
続いてパート収入と扶養との関係についてです。配偶者のパート収入によって、適用される「配偶者控除」または「配偶者特別控除」の額は変動します。表2に、パート収入と配偶者(特別)控除額との関連をまとめました。
表2
(配偶者控除の適用) 38万円 123万円超160万円以下
(配偶者特別控除の適用:以下同) 160万円超165万円以下 36万円 165万円超170万円以下 31万円 170万円超175万円以下 26万円 175万円超180万円以下 21万円 180万円超185万円以下 16万円 185万円超190.4万円未満 11万円 190.4万円以上197.2万円未満 6万円 197.2万円以上201.6万円未満 3万円 201.6万円以上 0円
出典:国税庁「家族と税」を基に筆者作成
パート収入が160万円以下であれば、夫の合計所得金額など一定の要件を満たす場合、配偶者控除または配偶者特別控除が38万円まで適用されます。なお、夫の合計所得金額が900万円以下であれば満額38万円となります。
自身の所得税および夫に適用される配偶者(特別)控除を最大限受けたい場合は、パート収入160万円をひとつの目安とするとよいかもしれません。
160万円の壁により課税のボーダーラインが引き上がった
税制改正により、以前の103万円の壁は160万円の壁に引き上げられました。パート収入が160万円までであれば、本人の所得税は非課税であり、配偶者控除または配偶者特別控除も上限まで適用されます。
パートを週5に増やすにあたり、どれくらいの収入アップになるか定かではありませんが、160万円をひとつの目安として就労スケジュールを組むとよいでしょう。
なお、年収の壁については制度見直しの議論が継続しており、今後も基準額が引き上げられる見通しです。実際の就労判断にあたっては、最新の制度改正の動向を随時確認することが重要です。
出典
国税庁 家族と税
国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について
国税庁 令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A(3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
