国際教養大学理事長・学長 モンテ・カセム〈イラン問題にどう対処するか?〉
アメリカは軍事力も政治力もまだ結構ありますから、丁寧に対応をしながら、グローバルサウスを味方にしていく。そうすれば、最終的には世界人口の過半数が日本の味方になるとわたしは思います。
─ 以前のインタビューでは、世界を善か悪かで分けるのではなく、日本はアジア的価値観の共感と許しをもとに、良い方向へ持っていく努力をと発信いただきました。この価値観は他の国にもありますか。
カセム 京大の元総長でゴリラの専門家の山極壽一教授の『共感革命』という本によれば、弱いものを大事にする、間違ったことを許すということによって、人間社会が他人の弱みを責めるのではなく共感をして支えてあげるということがあったから、大きな社会を作れたと言っています。
例えば最近で言うと、豊橋技術科学大学の岡田美智男先生が、不完全なロボットを作りました。このロボットはゴミ拾いロボットですが、屈むことはできるけど、手がないからゴミを拾えない。
これを豊橋駅の通勤ラッシュの時に置いてみたら、忙しく電車に乗ろうとしている方でも、このロボットの無駄な努力を見て共感してゴミを入れてしまうんです。
このことが示すように、人に助けてもらえるという仕組みがロボット開発においても大事なのではないかと。これからの時代は、何かそういった精神が鍵になるのではと思います。
