若手育成を「地域の活性化」に繋げる女子サッカーチームの取り組みを取材

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 若い世代の都市部流出が続くなか、「地方で人材を育て定着させる」ということが課題となっています。スポーツの世界でも、競技と仕事を両立させるデュアルキャリアや引退後のセカンドキャリア支援の重要性が指摘されてきました。

 播磨地域を拠点に活動する女子サッカークラブ「ASハリマアルビオン」も、そうしたテーマに向き合っています。同クラブでは全国から集まる選手たちを「人財産」と位置づけ、競技生活だけでなくその先の人生も見据えた仕組みづくりを進めているとか。

プレーする所属選手(提供:ASハリマアルビオン株式会社)

 選手たちは地域企業に勤めながらプレーを続ける「デュアルキャリア」を実践中です。クラブ契約の終了とともに雇用も途切れるケースが少なくない中、同クラブでは引退後も雇用スポンサー企業で働き続けられる体制を整備。競技を終えた後も地域に根づき、社会人としての歩みを重ねられる点が特徴です。

 企業とのマッチングは、選手一人ひとりの希望や適性を踏まえて行われます。入団時には面談を実施し、将来やりたい仕事を確認。なかには資格取得に挑戦する選手もいるといいます。こうした積み重ねが、結果として地域への定着にもつながっています。

事務所外観(提供:ASハリマアルビオン株式会社)

 育成部門でも、持続可能な体制づくりが進行中です。U-12からトップチームまで一貫した指導体制を敷き、アンダーカテゴリーの監督・コーチ陣は正規雇用としています。指導者が安定して子どもたちと向き合える環境を整えることで、育成の継続性を確保してきました。

練習風景(提供:ASハリマアルビオン株式会社)

 さらに同クラブでは、選手との対話を重ねながら、競技生活だけでなくその後の人生設計についても共に考えているといいます。地域に残ることを前提とするのではなく、あくまで本人の意思を尊重する姿勢を大切に。その結果として、姫路で働き、暮らし続ける選択をする選手が生まれています。

 海外や他クラブへ移籍した後、引退を機に姫路へ戻り、再び地域企業で働く「Uターンキャリア」の事例も。スポーツをきっかけに地域とつながった人が、自らの意思でまちに根を下ろるといった“循環”が、少しずつ広がり始めているようです。

(左から)パーソナリティの清元秀泰姫路市長、ASハリマアルビオン株式会社・代表取締役の岸田直美さん、ナビゲーターの洲崎春花

(取材・文=洲崎春花)

※ラジオ関西「ヒメトピ558」2026年3月20日、27日放送分より