「パニックでした」突如届いた“住宅メーカー破産”の通知 1000万円先払いも工事ストップ 水回り使えず“限界”の生活に依頼主「怒りしかない」
念願のマイホーム!のはずが…突然住宅メーカーが破産
念願であるマイホームの建築やリフォーム工事。代金を先払いしたにもかかわらず、その工事が完了しないままに住宅メーカーが突然破産。工事は途中でストップし、依頼者には支払った代金が返っていないということが滋賀県で起こっています。
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「震えしかない」そう当時を振り返る依頼者たちを取材しました。
「理想どおりの設計で満足」→「ひとことで言うと怒り」へ
(Aさん)「最初は信頼してたけど、今はもう失望してますね。ひとことで言うと怒りしかないですね」
こう憤マンするのは、滋賀県湖南市に住むAさん(40代)です。
発端は去年、念願のマイホームを新築したことでした。
(Aさん)「いかにも賃貸じゃない感じのイメージにしたかったんで。丸みのある設計、角がとがってないとか。(Q窓にもこだわりが?)これは向こうの提案なんですけど、今はこういう感じがおしゃれかなと。理想どおりの設計だったので、満足かなって感じですね」
複数の工務店を比較し、守山市の住宅メーカー・「湖清工業」を選びました。
(Aさん)「会社の実績とか、震災の話聞いたら、うちのは崩れてなかったんですよとか、そういうアピールもあったので、ここ(湖清工業)にした」
建つはずだった「カーポート」…破産して建たず「お金は返して」
当初の見積もりは約3400万円。代金は複数回に分け、引き渡しまでに全額払い込みました。その後、工事が見積もりよりも200万円ほど安く済んだことが分かりましたが、返金の対応はできないと言われ、代わりにそのお金でカーポートなどを設置する追加工事を行うことで合意しました。ところが…
(Aさん)「こちらがカーポートが建つ予定だった場所です。(Q予定というのは?)(湖清工業が)破産していて建たなくなりました」
カーポートなどの工事が始まる前に、「湖清工業」が破産してしまったのです。
200万円は返金されず、別の会社に工事を依頼する余裕はないため、Aさんはカーポートの設置を諦めるしかありませんでした。
(Aさん)「普通に働いても、すぐに稼げるお金ではないので。謝罪もそうやけど、最終的にお金は返してほしい」
「ほぼパニック」リフォーム真っただ中に突然の工事ストップ 被害はほかにも…
被害を訴えるのは1人だけではありません。
大津市に住むBさん(50代)。去年3月、「湖清工業」にリフォームを依頼しました。
(Bさん)「工事中ですので土足のまま入ってください」
代金は契約から完成後まで複数回に分けて支払うのが一般的ですが、「湖清工業」の担当者からは「全額先払いすれば約70万円安くする」などと説明されたため、Bさんは1000万円を先払いしました。
しかし、契約から2か月後、リフォームの真っ只中に工事が突然ストップ。Bさんの元には「湖清工業」が破産し、債務整理を開始したという通知が届きました。
(Bさん)「もう震えしかないです。どうしたらいいのかわからなくて、ほぼパニックでした」
キッチンやトイレは取り外されたまま…終わりが見えない状況に
(Bさん)「現場がこんな感じで、全く工事が進んでいない状態。ずっと放置のままの状態です」
キッチンやトイレなどは取り外されたままで、水回りは全く使えない状況です。
リフォームはもともと2か月ほどで終わる予定だったため、近くに住む親族の家を使わせてもらっていましたが、終わりが見えなくなってしまいました。
「さすがに限界」支払済の1000万円返金の見込み立たず
(Bさん)「夜中に目が覚めても水一つ飲めない状態です。ゴールが見えない。さすがにちょっと限界が来てます。本当にしんどい生活です」
支払った1000万円が返ってくる見込みは全く立っていません。
(Bさん)「その時点(支払い時)では工事が始まっていたので、すっかり安心して入金をして、(破産の)通知が来てからの2週間はほとんど寝られなかったです。ごはんもほぼ食べられない状態。本来できない仕事であれば、本当に請け負わないでほしかった」
開かれた債権者集会 社長の説明や弁済の見通しは?
去年12月、破産に至るいきさつなどを報告する債権者集会が開かれ、Bさん夫婦も参加しました。
(Bさんの夫)「誠心誠意話をしてほしいし、隠さずにこういった経緯であったっていうことと、弁済が実際に行われるのかどうか、今後の見通しですね。そのあたりしっかりと話を聞きたい」
しかし債権者集会で、破産管財人から弁済の見通しなどの説明はなく、「湖清工業」の社長からはひとこと謝罪があっただけでした。
支払った1000万円は一体どこに?「納得は何一つできない」
(Bさん夫)「(システムキッチンなどの)物品をちゃんと注文していたのかどうか、工事もちゃんと履行しようとしていたのかどうかを聞いたんですけど、即答されず持ち越しになって。注文していたかどうかぐらい答えられへんのかなと思って。怒りしかないですね」
Bさんは、会社に残っていたという財産についても納得がいかないと話します。
(Bさん)「すべての財産を合わせて約96万7000円しか残っていない。(破産直前に)私たちが支払った1000万円が入金されているはず。そのお金は一体どこに行ったのかも、何も明確にされていないですし、納得は何一つできない」
元従業員を直撃取材!破産の前ぶれは?
取材班は、破産するまで働いていたという元従業員に話を聞くことができましたが、破産の前触れはまったく感じなかったと話しました。
(「湖清工業」元従業員)「財務状況はほとんど社長しか知らず、破産も当日社長に言われて知った。ただ、『お客さんに先払いを求めてくれ』と、社長が言っていたのを聞いたことはあった。おそらく別の支払いなどですぐにお金が必要で、資金繰りは大変だったのだと思う」
代理人弁護士「法に抵触するような行為は何もしていない認識」
いったい何が起きていたのか。会社があった場所に行ってみましたが誰もおらず…
(記者リポート)「会社のすぐ横には、草が生い茂った先に『現場事務所』と書かれた建物がありますが、長らく放置されているようにも見えます」
社長の自宅も訪ねましたが、会うことはできませんでした。
「湖清工業」の代理人弁護士はMBSの取材に対し「代金を受け取るときには工事を進めようとはしていた。法に抵触するような行為は何もしていない認識」と回答しました。
別の業者に600万円近く支払い追加工事…生活一変
突然リフォーム工事が止まってしまったBさん。別の業者に追加工事を依頼し予定より大幅に遅れてリフォームが完了しました。
(Bさん)「いろいろありましたけど、出来上がったときはもう感無量でした」
しかし、最初に支払った1000万円が返ってこないなかで、別の業者にも600万円近く支払うことになり、生活は一変しました。
(Bさん)「好きなものを買うというような生活ではなく、必要なものだけを買うというような生活に変わったり、旅行とかも一切なくなったんですけれども、少しずつ補填しながら頑張って生活をしようかなと」
「湖清工業」に対しては今後も返金を求めていくと話します。
(Bさん)「まさかこんな、ずさんな会社だったということまでは、あのときには私たちもわからなかったです。(お金は)長年かけてでもいいから返してほしいです」
(2026年3月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『発掘!憤マン』より)
