バナナマン

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 日曜夜のバラエティ勢力図に異変あり――。3月1日日曜日の視聴率が発表され、テレビ業界に衝撃が走ったという。この日、民放首位に立ったのは、長らく“バラエティの王様”として君臨してきた「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)でも、WBC開幕直前の侍ジャパンを特集した「有働Times特別編」(テレビ朝日)でもなく、「バナナマンのせっかくグルメ!!」(TBS)だった。

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 民放各局の視聴率は以下の通り(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。

●日テレ「世界の果てまでイッテQ!」19:58〜20:54【9・2%】
●テレ朝「有働Times特別編 侍ジャパン世界一の歴史」18:04〜20:56【8・9%】
●TBS「バナナマンのせっかくグルメ★福岡2時間SP!」19:00〜21:00【9・7%】
●テレビ東京「日曜プラチナアワー 質屋&買取店にカメラを設置!それなんで売っちゃうの?」18:50〜20:50【4・1%】
●フジテレビ「ジャンクSPORTS 世界に誇る日本のアスリートが大集結SP」19:00〜20:54【4・2%】

 民放プロデューサーは言う。

バナナマン

「在宅率が高い日曜夜の7時台と8時台はファミリーでの視聴が多い。そのため民放にとってはCM枠がスポンサーに最も高く売れる時間帯であり、各局とも全社的な営業成績に関わってきます。しかも、今年は大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)が好調なため、残ったパイを民放で分け合うという厳しい戦いになっています」

 ちなみに、この日の「豊臣兄弟!」は12・1%だった。横並びでは断トツの数字だ。

「そんな中で『せっかくグルメ』は二桁に近い9・7%を獲得しました。TBSにとっては今年最大の朗報と言っていいかもしれません。日曜夜8時台は長らく、個人視聴率とコア視聴率で『イッテQ!』が圧倒し、世帯視聴率では『ポツンと一軒家』(テレ朝/ABCテレビ制作)がトップという図式でしたからね」

 一方、TBSはどうだったか……。

不運な放送歴

「みのもんたさんが司会の『どうぶつ奇想天外!』が2000年に土曜8時台から日曜8時台に移動し、高視聴率を上げていました。ところが、07年に『イッテQ!』がスタートすると次第に数字を落とし、09年に番組は終了。それ以降は、出す玉、出す玉、大外れを繰り返しました」

 ちなみに「せっかくグルメ」は14年に2回、単発で日曜昼に放送された。

「初めてレギュラー化されたのは翌15年、月曜深夜に放送されましたが、わずか3カ月で打ち切り。2度目のレギュラーは16年10月から19年3月までで、日曜夕方に放送されました。さらに、3度目のレギュラーが20年4月から22年3月までで、日曜8時台に放送されていましたが、22年4月からは日曜夜6時30分スタートの90分番組になり、その後、夜7時スタートの60分番組へと変更を繰り返しています」

 ん? 3月1日の放送は2時間スペシャルだったが、たまたまだろうか。

「タイムテーブル上は、7時台が『せっかくグルメ』、8時台が『坂上指原のつぶれない店』ですが、事実上それぞれが交互に2時間スペシャルという形を取っています」

 週替わりで放送されたら、視聴習慣がつかないのでは?

日村の好感度

「『せっかくグルメ』は2度もレギュラー打ち切りという辛酸をなめながらも、最初のレギュラー化から数えて10年以上の歴史があります。打ち切り後も不定期特番であったりBS-TBSで再放送されたりと人気を保ってきました。それが今になってようやく花開いたということなのかもしれません」

 デイリー新潮はかつて「バナナマン日村が『せっかくグルメ』で見せる食べっぷり 業界からは“新・食レポ王”の声」(2022年10月23日配信)で、日村勇紀(53)の食べっぷりと番組を楽しむキャラが業界で高評価されていることを報じた。

「日村がブレイクしたのは元NHKの神田愛花アナと結婚したことが一因かもしれません」

 2人は18年に結婚した。

「神田アナは結婚後、レギュラー番組の『ぽかぽか』(フジ)やゲスト出演した『踊る!さんま御殿!!』(日テレ)などで、夫の日村のことをしゃべりまくっています。おかげでそれまで“キモキャラ”だった日村の好感度が上がり出したのです」

 それまでは相方の設楽統(52)のほうがピンでの活躍は目立っていた。

「日村の好感度が上がると、21年からNHKが彼をピンで起用した『ひむバス!』を不適放送するようになり、25年からレギュラー化。同年、日テレでは日村とSnow Manの佐久間大介をMCに起用した同じく単発特番だった『サクサクヒムヒム ☆推しの降る夜☆』がレギュラー化されました」

 アイドルと組ませるとは好感度も上がったものだ。

豪華ゲストをロケに

「さらに、コンビ仲の良さも好転しました。かつてのやすし・きよしやダウンタウンのように、お笑いコンビは仲が悪い、悪くはなくても普段は一緒にいないほうが売れると言われていました。ところが、最近は世相なのか、普段から一緒にいて仲が良いことを謳うコンビのほうが売れています。その筆頭がサンドウィッチマンとバナナマンでしょう」

 その波にも乗ったということか。

「TBSではこの2組の冠番組『バナナサンド』が2021年からレギュラー化され、ゴールデン御用達コンビとなっています。そして『せっかくグルメ』のほうは、番組終了後に始まる日曜劇場などの番宣のため、大物俳優がグルメロケをこなすようになりました。昨年は松たか子や広瀬すず、阿部寛、妻夫木聡、福山雅治、大泉洋、鈴木亮平などもゲスト出演しました」

 今年も阿部サダヲと河合優実、櫻井翔などが出演している。

「他局であれば番宣はスタジオでするのが普通ですが、『せっかくグルメ』では普段は世間と接すところが滅多に見られないゲストをグルメロケに引っ張り出すわけですから、その姿も貴重です。おかげで番組に新たな視聴者を引っ張ってこられるわけです」

 それが民放トップとなった理由である。

「『イッテQ!』の経年劣化や『ポツンと一軒家』のネタ切れも味方していますが、そもそも『せっかくグルメ』は作りがシンプルでネタが尽きないグルメ番組ですからね。明日から会社だ、学校だと憂鬱になりがちな日曜夜に、ほっこりさせてくれるのも強みです。大河『豊臣兄弟!』がいくら好調でも1年限りの番組です。『せっかくグルメ』の天下が本格的に訪れるかもしれません」

デイリー新潮編集部