これまで知られていなかった雲の構造が判明
飛行機からは雲が下に見えますよね。分厚い雲のときだと、雲の上を歩けそうでワクワクします。
でも、雲の上の部分って実は謎だらけ。特に“雲のてっぺん”の細かい構造は、これまで十分に観測できていなかったんですって。
そこで、アメリカ・ニューヨーク州にあるブルックヘブン国立研究所は、新しいタイプのLiDAR、つまりレーザーを使った観測装置を開発して観測することにしたそうです。
この装置は、約1センチという非常に細かいスケールで雲の構造を捉えることができるもの。従来の観測装置と比べて、100〜1,000倍も高い解像度で調べられたんですって。
雲の意外な姿
研究チームは、このLiDARをミシガン州の雲チャンバーに持ち込みました。雲チャンバーとは、温度や湿度を自由に設定して人工的に雲を作り出せる実験施設のこと。そこで人工雲を発生させ、雲の中にある水滴がどのように分布しているのかを観測しました。
その結果、これまで使われてきた雲のモデルでは説明しきれない現象が明らかになったんです。特に、雲の上部では水滴の分布が非常に不均一である一方、雲の内部では比較的均一に混ざっていることが分かりました。
雲はどこも同じような構造をしている、という従来のイメージが覆されたんです。
なぜ雲の上だけがこんなに複雑なのか
構造が違う理由として、雲の上で起きる特有の物理現象が挙げられます。雲の上部では、雲の外にある乾いた空気が内部に引き込まれる現象が起きており、その影響で水滴がまだらに分布します。さらに、水滴は大きさによって重さが違うため、重い水滴ほど速く落下し、軽い水滴だけが雲の上部に残りやすくなります。
一方、雲の内部では乱流が非常に強く、水滴はすぐにかき混ぜられて均一な状態になります。しかし雲の上部では乱流が弱いため、小さな水滴だけが浮かび続け、複雑な構造が保たれていました。
研究者のヤン氏は、多くの大気モデルでは水滴の落下を無視したり、異なる大きさの水滴をすべて同じ速さで落ちるものとして扱っている、と説明しています。
この発見で予測精度が上がる可能性がある
この発見は、雲がどれくらい太陽光を反射するのか、また雨がどのように降り始めるのかといった予測精度に直結します。研究チームは、今回のLiDARが将来的に実際の空の雲を直接観測するためにも使われることを期待しているそうです。
それにしても私たちが当たり前のように見ている雲が、こんなに複雑な構造をしているなんて。知ると知らないとでは、見え方が変わってきますね。
Source: PNAS
