とはいえ、リバプール自体が不振を極めている状況でもある。

 スポーツサイトの『アスレティック』は、今回の問題発言の前──つまり、1−1の引き分けに終わったサンダーランド戦(12月3日)の時点で次のように指摘していた。

「『サラーを先発させるべきか』との議論以上に、リバプール自体の問題の方がはるかに根が深い。プレッシングは皆無。パスが遅く、予測が容易に可能。まったく機能していない。新戦力のアレクサンダー・イサクは存在感がなく、出場した86分間でボールに触った回数はわずか14回だ。ポジティブと言える材料はほとんどなかった」

 このサンダーランド戦で、敵将レジス・ル・ブリは「あれほどのスペースと時間を与えられたことに少し驚いた」と、リバプールのパフォーマンスが予想以上に低調だったと述べた。英紙『デーリー・テレグラフ』も次のように伝えていた。

「リバプールは今、想像しがたい難題に向き合っている。守備組織が、あまりに脆弱。強度が低く、動きも鈍い。不安そうに見えるし、同じミスの繰り返しだ。タイトルを獲得したチームの片鱗はどこにも見えない」

 在籍年数9年目を迎えたサラーだが、「ミックスゾーンで取材に応じない選手」として知られている。これまでの約8年半で、サラーが取材エリアで立ち止まった回数は3回。最後に取材に応じたのは、契約問題に揺れた24年11月のことだ。この際にサラーは、翌年6月に切れる自身の契約について触れ、「残留のオファーは来ていない。だから残留よりも退団だろう」とし、この発言で契約更新に本腰を入れていないクラブに揺さぶりをかけたと見られている。
 
 今回のリーズ戦の発言は、感情を抑えられずに発したようにも思えるが、サラーがミックスゾーンで立ち止まって話す際には「何かしらの策略がある」(英紙『ガーディアン』のジョナサン・リュー記者)との指摘もある。サラーは何を考えて、今回の発言に踏み切ったのか。

 ただ一方で、状況を俯瞰すると、リバプールとサラーの関係修復はもはや不可能にも見える。冬の移籍市場で電撃退団となっても仕方ないだろう。リーズ戦後、サラーはこう話した。

「昨日の時点で先発から外れるのは分かっていた。昨日、母に電話し、13日のブライトン戦に家族を招待した。この試合に出られるかどうか分からない。だが、アンフィールドでファンに別れを告げてから、アフリカ選手権に向かう。なぜなら、その後に何が起こるか分からないから」

 サラーは、14日からアフリカ選手権に参加するエジプト代表に合流予定で、そのまま冬の市場で退団する可能性があると明かした格好だ。

 サラーの輝かしいキャリアを思うと、アンフィールドをこうした形で去ることになるのは寂しいかぎりだ。同時に、プロ選手として今回の発言が行き過ぎた行動であることも間違いない。

 果たして、サラー騒動はどのような結末を迎えるのか。引き続き、動向に注目したい。

取材・文●田嶋コウスケ

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