U-22日本代表が挑むU-23アジア杯予選の注目ポイントを紹介する。写真:松尾祐希

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 パリ五輪に続き、ロス五輪世代のチームを率いる大岩剛監督のもと、新たな旅路のスタートを切る。

 来年1月にサウジアラビアで開催されるU-23アジアカップの出場を懸け、同予選にU-22日本代表が9月3日から臨む。今予選は全部で3試合。3日にアフガニスタン、6日にミャンマー、9日にクウェートと対戦する。

 22歳以下の代表チームと謳っているが、今回はロス五輪世代となる20歳以下の選手たちで構成されている。

 9月下旬からU-20ワールドカップが開催されるため、DF市原吏音(大宮)、MF大関友翔(川崎)、MF佐藤龍之介(岡山)は招集されていない。一方でインターナショナルマッチウィーク中の大会とあって、ロス五輪世代の主軸候補であるFW後藤啓介(シント=トロイデン)、FW塩貝健人(NEC)、MF保田堅心(ヘンク)、DF小杉啓太(ユールゴーデン)といった海外組がスカッド入りを果たしている。

 日本よりも力で劣るチームとの対戦だが、気は抜けない。来年1月のU-23アジア杯は2028年に開催される五輪最終予選を兼ねたU-23アジア杯のポット分けを左右する戦いにもなるからだ。

 各グループの1位と各組2位の上位4チームが本大会出場の権利を手にするなかで、大岩ジャパンは結果と成長の両輪を回しながらどのような戦いを見せるのか。勝利を掴むことは大前提としたうえで、注目すべき3つのポイントがある。
 
 1つ目が選手層の底上げだ。

 山本昌邦ナショナルチームダイレクターが「ラージ100」というキーワードを29日のメンバー発表会見で口にした通り、チームの骨格を固めている段階の大岩ジャパンにとってラージグループの拡充は至上命題。なぜならば、五輪はインターナショナルマッチウィーク外に開催される関係で代表チームに拘束権がないからだ。だからこそ、ラージグループを100人で作り、誰がチームに入っても力が落ちない集団を作り上げたいと考えている。

 世代のトップを走る海外組、Jリーグで完全なレギュラーとは言えなくても出場機会を少なからず得ている選手、プロの世界で出番が得られていない者、大学で力をつけてきたプレーヤー、ユース所属ながらトップチームに絡んでいる有望株。U-20W杯を考慮した陣容になっているとはいえ、今回のメンバーが幅広い層で構成されているのもそのためだ。
 
 2つ目がチームとしての成熟だ。ロス五輪世代のチームは7月下旬のウズベキスタン遠征で産声を上げたばかりで、今回の活動が2度目となる。そのため、大岩監督が求めるスタイルの理解は深まっていない。指揮官も戦術の落とし込みに意欲を示す。

「少ない活動期間で落とし込む経験はパリ五輪世代でも経験していますが、落とし込む作業は回数が必要になる。やはり、継続して我々のグループに入っている選手たちが重要になるので、ウズベキスタン遠征に参加した選手たちがより今回の活動で洗練されてほしい。

(一方で)新しい選手たちは我々のグループの様々なルールやタスクを理解することを進めていく。これを積めば積むほどにグループが強くなる」

 強度や攻守における切り替えのスピードはもちろん、守備の約束事は理解を深めなければ機能しない。そうしたテーマを掲げながら、今回の3試合に挑むことになる。
 
 3つ目のポイントは9月下旬からスタートするU-20W杯のメンバー争いだ。U-20日本代表を率いる船越優蔵監督が「大岩監督とはコミュニケーションを取っている」と明かしたように、直接的に今回のメンバー選考に関わったわけではないが、情報交換は密に行なっている。

 現時点でU-20W杯に挑む面々は半数以上が固まっていると思われるが、21名のリストは確定していないはずだ。

 特に左SBはDF郄橋仁胡(C大阪)が負傷離脱中で間に合うか見通せず、CBやサイドアタッカーも層が決して厚いとは言えない。そうしたラストピースを埋めるような選手が今予選で現れれば、船越ジャパンのメンバーに滑り込む未来はある。山本SDは「(今予選に出た選手の出場も)可能性はゼロではない」と明言しており、今予選が本当の意味での“ラストサバイバル”になる。

 勝負に徹しながら、チームはどのような成果を上げていくのか。ロス五輪世代の戦いから目が離せない。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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