『恋は闇』©日本テレビ

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 毎月“ゾロ目”の日に起きる連続殺人事件、通称“ホルスの目殺人事件”。その4件目の現場で発見された、犯人のものと思しき足跡からスニーカーが特定され、それが設楽(志尊淳)の履いているものと一致することが仄めかされた前回のラスト。しかしその疑惑は、今回の序盤であっさりと払拭される。4月23日に放送された『恋は闇』(日本テレビ系)は、まだ始まったばかりの第2話だ。

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 件のスニーカーを履いたまま警察署に赴いた設楽。そこで刑事の大和田(猫背椿)に呼び止められ、スニーカーが鑑識に回されるのだが、ルミノール反応は出ない。よって、ここではスニーカーという物的証拠の面では設楽がシロであること、足跡と一致するスニーカーは大量生産され大量に流通しており、かつ設楽と同じ“27.5cm”という情報のみが明示される。そして同時に、小峰(白洲迅)は設楽に向ける疑いをより強めるのである。

 一方で万琴(岸井ゆきの)のほうはというと、“ホルスの目殺人事件”の専属取材班のチーフに抜擢され、野田(田中哲司)から遺族のインタビューを取ってくることを命じられる。しかし遺族にカメラを向けることに抵抗がある万琴。よりによって4件目の被害者である花邑百合子の両親は、設楽が出した記事をきっかけにマスコミへ取材拒否を告げる声明を発表。代わりに万琴は、2件目の事件の被害者の父親への取材に成功するのだが、“顔出し”ではないインタビューを撮影したことで、野田からダメ出しを受けてしまう。

 このドラマがミステリーであると同時にラブストーリーである以上、第1話で万琴と設楽の鮮烈な出会いが描かれたとなれば、今回のエピソードでは両者が惹かれあっていく“過程”の部分が描かれるのは当然の流れだ。それでも今回は、設楽のよく言えばミステリアスな(悪く言えば胡散臭い)雰囲気は極力抑えられ、“取材する”という、ある種の“過程”に向き合う2人の記者の矜持のドラマに徹せられた印象だ。

 被害者遺族を取材するということに対するマスコミの意義を理解しながらも、カメラを向けること=暴力であると葛藤する万琴。取材拒否といわれても諦めず、葬儀に出向いて手を合わせ、香典に手紙を添えて取材を申し込むという「真っ当なやり方」をもって取材対象への敬意を示す。そしてたどり着いた、花邑百合子の両親への取材。事件現場である家に、両親も事件後初めて入るというその瞬間に立ち会い、許可を得ながらカメラを構え続ける。神妙な面持ちの設楽と、話を聞くうちに込み上げてくる感情に耐えきれず、カメラを下ろそうとしてしまう万琴。そっとそれを支えてくれる設楽。

 結局、取材した内容は人の目にさらされる機会を逸してしまう。“鮮度”が重視される報道の場で、しょうもない芸能スキャンダルが優先され差し替えられるのだ。そして「埋もれる」という言葉のあやで、取材対象者である遺族を傷付けてしまった後悔と、取材という“過程”に真摯に向き合っても、世に出されるという“結果”にたどり着けないもどかしさがあふれ出る、橋の上でのシーン。2人のその直後の行動は、“過程”を重視しても“結果”に届かなかったことへの反動――すなわち両者の間にほんのり芽生えていた恋愛感情を育む“過程”を無視して、“結果”を衝動的にもぎ取ろうとしたものと解釈することができよう。この破滅的な選択を含め、終盤の一連のドラマとしての密度は途方も無いものがある。

(文=久保田和馬)