如月千早、日本武道館へ 『アイマス』が歩んできたライブの歴史、「蒼い鳥」「約束」…単独公演で届ける楽曲は?
『アイドルマスター』シリーズのアイドル・如月千早が、2026年1月24日に日本武道館単独公演『OathONE』を開催することが発表された。これまでに数多くのライブイベントを行ってきた『アイドルマスター』シリーズだが、作中アイドルのソロライブが日本武道館で開催されるのはこれがシリーズ初である。
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まず“如月千早”というアイドルのことをあまり知らない人のために、『アイドルマスター』、そして彼女について軽く説明したいと思う。『アイドルマスター』シリーズはアーケードゲームとして2005年からスタートしたコンテンツで、ゲーム以外にもアニメ/漫画/ライブなど様々なメディアミックス展開がなされている。派生作品も含めるとこれまでに300名以上ものアイドルが登場しており、中でも千早はシリーズの元祖であるアーケード版から登場している10人のアイドルの内の1人であり、20周年を迎えた『アイドルマスター』シリーズの“顔”とも言える存在として現在まで多くのプロデューサー(『アイドルマスター』シリーズのファンの総称)に愛されている存在だ。謙虚で真面目、そして歌に対してストイック。「『アイドルマスター』シリーズの歌姫といえば?」という問いに、多くのプロデューサーたちが「如月千早」と答えるだろう。それくらい、歌に対して並々ならぬ思いを抱えているのが如月千早なのだ。
『アイドルマスター』シリーズの象徴的存在である彼女が、シリーズを通して初めてソロで武道館公演を行うアイドルとして選ばれたこと自体は特に不思議なことではない。それでは、そもそもなぜこのタイミングで千早単独での武道館公演が発表されたのだろうか。それを理解するためには、ここまでの『アイドルマスター』シリーズのライブの歩みを知る必要がある。
近年、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)・MR(複合現実)といった現実世界と仮想世界を融合させるXR(クロスリアリティ)の技術が急速に進化を遂げ、毎日のようにVTuberのライブや様々なアーティスト/作品での3DCGライブなどが行われているが、『アイドルマスター』シリーズも声優によるリアルライブとは別に、MRを駆使したライブを2018年から積極的に開催してきた。
中でも今回の武道館公演の布石となっているのが、2024年3月に開催された菊地真と萩原雪歩による『twin live“ はんげつであえたら ”』、2024年8月と2025年2月に開催された星井美希・四条貴音・我那覇響によるXRライブ『Re:FLAME』、そして2024年12月に行われた『THE IDOLM@STER M@STER EXPO』内の「LIVE SHOWCASE」での天海春香と秋月律子のソロライブという3つのライブだ。
これまでは、『アイドルマスター』という作品全体としてのライブ開催がほとんどだったため、様々なアイドルが入れ替わり立ち替わりで出演する形式を採っていた。それが先述した3つのライブでは出演するアイドルを限定し、個々人のパフォーマンスを重視するライブとして開催。XRライブの公演数を重ね、プロデューサーたちにもこの形式が着実に浸透してきたのだ。
この流れを踏まえると、『アイドルマスター』を代表する歌姫・如月千早がシリーズ初の武道館単独公演を行うのは、満を持してだと言えるだろう。もちろんこれまでのライブと比べても最大規模のキャパであり、MRライブ形式で行われた武道館公演は、花譜や星街すいせいなど数えるほどしか行われていない。主催とオーディエンス、両者の経験値が高まったことでこの日本武道館公演という挑戦が実現したのだ。シリーズ20周年を迎え、さらに新たな歩みを進める『アイドルマスター』の象徴的なイベントとして語り継がれることがすでに期待できる。
■「蒼い鳥」「目が逢う瞬間」「Blue Symphony」……“歌姫”千早が紡ぐ音楽の軌跡を振り返る
少々気が早いが、ここからは千早のソロライブで歌う可能性のある楽曲についていくつか触れていきたい。彼女のアイドルとしての音楽の軌跡を振り返り、武道館公演までの期待をともに高めていこう。
まず、彼女の代表曲を真っ先に挙げるとすれば、「蒼い鳥」以外ないだろう。『鬼滅の刃』の劇伴などでお馴染みの椎名豪が手掛けた厳かなピアノの音から始まるオーケストレーションと、圧倒的な歌唱力で力強く歌い上げる千早のボーカルの組み合わせには、ただただ圧倒される。アーケード版初期から収録されている曲ではあるが、20年経った今でも色褪せない名曲だ。
「蒼い鳥」の印象もあり、ほかのアイドルと比べると千早の楽曲には壮大なバラードナンバーが多く並ぶ。その1つである「眠り姫」は、『眠れる森の美女』をテーマに悲しみを乗り越えて1人で歩き始める力強さを表現した1曲で、アニメではとあるトラブルにより冒頭部分をアカペラで歌うという演出がなされた。そして「蒼い鳥」から約10年後にリリースされた「細氷」も、壮大なオーケストラの流れを引き継ぐ楽曲である。凄味すら感じさせるドラマチックな展開と歌声は、息をするのも忘れてしまうくらいに圧倒的だ。
また、シリーズ初期の楽曲である「目が逢う瞬間」も外せない。アップテンポな打ち込み系サウンドで展開されるキャッチーな1曲で、歌詞では切ない恋模様が歌われるというギャップがたまらない。その切なさに拍車を掛ける千早のエモーショナルな歌声も素晴らしい。
2011年に放送されたアニメシリーズの劇中歌でもある「約束」は7分以上もある壮大なバラードで、千早が抱えていた困難を乗り越えるきっかけとなった、彼女にとってなくてはならない大切な楽曲である。あたたかな鍵盤の響きとふくよかなストリングスの音色、そして気持ちがしっかりと乗った感動的なボーカルは、いつ聴いても涙腺が緩む。アニメ第20話の感動的なシーンも見届けた上で、ぜひともこの楽曲を聴いてもらいたい。
ほかにも、心が温かくなる穏やかなミディアムバラード「君に映るポートレイト」、疾走感あふれるクールなナンバー「arcadia」、千早のキュートな部分が押し出された「choco fondue」、ソロ曲以外にも“青”の楽曲の代表格でもある「Blue Symphony」や、バチバチの熱さを感じさせる「アライブファクター」、音楽の楽しさを届けてくれるハッピーチューン「Eternal Harmony」など、聴きたい曲は盛りだくさん。
シリーズお馴染みの「READY!!」や「GO MY WAY!!」といったアップチューンが歌われる可能性も十分にあるだろう。数々の栄光に彩られた伝説の会場に立つ歌姫の姿を楽しみに待ちたいと思う。
(文=河瀬タツヤ)
