この記事をまとめると

■自転車は基準が定められている「普通自転車」と基準外の「自転車」に分類される

■「普通自転車」は車体の大きさや構造が定められている

■基準に適合していない自転車やルールを無視した改造は違法となる

自転車には大きさや構造に基準が設けられている

 街なかの自転車を見ていると、驚くようなスピードで走行する自転車を目にすることがあります。「爆速改造」や「魔改造」といわれる自転車はどこまでが合法で、どこからが違反なのでしょうか。この記事では、自転車の車両に関するルールを紹介します。

一般的な自転車(普通自転車)にはルールがある

 そもそも、自転車には、内閣府令で基準が定められている「普通自転車(一般的な自転車)」と、内閣府令で定められている基準外の自転車「自転車(けん引している自転車、側車付き自転車、タンデム自転車など)」に分類されます。

 一般的に多くの人が利用する自転車は、内閣府令で基準が定められている「普通自転車」です。普通自転車とは、車体の大きさや構造が内閣府令で定められている基準に適合する自転車を指します。

【内閣府令で定められている「普通自転車」の車体の大きさ・構造】

◆車体の大きさ
・長さ:190cm以内
・幅:60cm以内

◆車体の構造
・4輪以下であること
・側車をつけていないこと(補助輪は除く)
・運転者以外の乗車装置を備えていないこと(幼児用乗車装置を除く)
・ブレーキの操作が走行中に容易にできる位置にあること
・歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと
・ブレーキは前輪と後輪にかかり10km/hのときに3m以内の距離で停止できる性能を有している
・前照灯は、白色または淡黄色。夜間に前方10mの距離にある交通上の障害物を確認できる光度を有するもの
・反射器材は、夜間に後方100mの距離から自動車の前照灯で照らしたときに反射光を容易に確認できるもの

 一般的な「普通自転車」は、車体の大きさや構造などが定められているため、これらの基準を満たしていない場合は違反となります。たとえば、長さや幅を拡大する装置を取り付けて車体の大きさを大幅に変更する改造や、鋭利な部品を取り付けたデコチャリなどは違反です。

 また、基準に適合しているか確認するだけでなく、定期的にブレーキの利き具合や前照灯の点灯などについてもチェックしなければなりません。点検や確認を怠ってしまうと、交通違反として取り締まられる可能性があるだけでなく、事故を起こしたり巻き込まれたりする危険性が高まります。自分の身を守るためにも、自転車の点検は定期的に行っておきまさょう。

自転車の最高速度はない!?

 街なかを走行する自転車の速度は、自転車運転者によって異なります。では、法律上の最高速度はどのように定義されているのでしょうか。警視庁が公表している自転車の基本的なルールには次のように記載されています。

◆最高速度
・自転車は政令で定める最高速度(いわゆる法定速度)はありません

※ただし、道路標識等により最高速度が指定されている道路では、その最高速度を超える速度で進行してはなりません

※歩道を通行する場合は徐行しなければなりません

※歩道の普通自転車通行指定部分を通行中に歩行者がいない場合は、すぐに徐行に移ることができる速度で進行する必要があります

 標識や標示がある道路では、クルマと同じように標識や標示で指定されている速度まで出すことができます。一方、標識や標示がない場所では、最高速度が定められていません。いい換えると、標識や表示がない道路では何キロで走行してもよいということになります。

 ただし、歩道では、すぐに止まれる速度(徐行)で通行しなければなりません。そのため、通行する場所によって適切な速度で走行しなければならないということになります。

 このように、自転車の最高速度についてある程度のルールが定められているものの、自転車に速度を客観的に確認できる速度計が装備されていないケースが多いため、走行速度は自転車運転者に委ねられているのが実情です。

 なお、サイクルコンピュータ(サイコン)を取り付ければ速度などを確認できますが、標準装備されているわけではないため、速度計を取り付けるかどうかは自転車の利用者次第となっています。

電動で自走できる自転車は原動機付自転車に分類される

電動アシスト自転車はアシスト範囲に上限がある

 電動アシスト自転車では、24km/hまでしか出せないと聞くことがありますが、この24km/hという速度は「アシスト範囲」の速度です。

 警視庁が公表している電動アシスト自転車の基準は次のとおりとなっています。

【駆動補助機付自転車の基準】

◆アシスト範囲
・24km/h以上のときはアシストされないこと

◆アシスト比率(人の力に対する電動モーターが補う力の比率)
・10km/h未満の時:最大で1対2
・10km/h以上24km/h未満のとき:速度が上がるとアシスト比率が減少など

 そのため、電動アシスト自転車でも自力で漕いで24km/h以上の速度を出すことは問題ありません。しかし、24km/hを超える速度までアシストできるように改造するのは違法改造となります。

 全(フル)電動自転車ともいわれる「モペット」は、自転車ではなく原動機付自転車(バイク)に分類される乗り物です。よって、モペットに乗る場合は、免許証、ナンバーの取得、ヘルメットの着用が必要となります。そのため、購入時は自転車に分類される乗り物なのか、バイクに分類される乗り物なのかしっかり確認しましょう。

定められている基準やアシスト範囲を超える自転車は違法となる

 自転車は、車両に関する基準が緩いイメージがある方もいるかと思いますが、じつはさまざまな基準やルールが定められています。そのため、基準に適合していない車両やルールを無視した改造をしている自転車は違法となります。

 違法改造車両やルールを無視した運転などをすると、事故を起こしたときの被害が大きくなるだけでなく、運転者自身が大怪我をしてしまう可能性も高くなります。

 自転車を安全に走らせるためにも、基準に適合しているか確認し、ルールに従った運転をしましょう。