堂々と英語でたっぷり1時間30分! 小川航基、佐野航大、塩貝健人のNEC三人衆による“通訳なしノンストップ会見”に蘭メディアが爆笑連発!【現地発】
【画像】SNSフォロワー数が1700万超! スイス女子代表のブロンド美女、アリシャ・レーマンが魅せる厳選ショット集!
日本のメディアに対して試合後のインタビューに応じてきたNECの日本人三人衆。しかし、本人たちに英語への苦手意識があること、オランダ人メディアも「彼らは英語ができない」という思いがあることから、これまで小川航基、佐野、塩貝健人の肉声がオランダのサッカーファンに届くことがなかった。
そこでNECは今回、全国紙、地方紙、サッカー専門誌、テレビ局に声をかけ、日本人選手たちと英語で直接話す機会を設けた。通訳はなし。週1回、クラブで英語レッスンを受けてきた彼らの力が試された。
前列右端に座る記者を皮切りに、一人ひとりたっぷり質問する時間を与えられた。まず、オランダでサッカーすることについて、小川が「ティーンエイジャーの頃から、将来は国外でプレーしたいと思ってました。オランダでプレーすることで夢が叶いました」、佐野が「言葉の違いが大きいですね。でもヨーロッパでプレーしたかった」と答えると、記者が塩貝に向かって「オランダに慣れるのは難しい?」と問いかけた。
塩貝「はい。英語がしゃべれませんし、オランダリーグはインテンシティーがとても高い。僕はひとり暮らしなので自炊もしないといけない」
――航大と航基は生活を助けてくれますか?
塩貝「彼(小川)の家に食事に行きます」
――航基は料理が上手?
塩貝「はい」
――航基、君の得意料理は?
小川「俺、料理したことないし」
ここで、この日最初の笑いが室内に広がった。
小川「ときどき、みんなで街に出て外食します。アムステルダムに住む寿司職人を家に招いたりして、みんなで食べることもありますね。でも僕は料理しない(笑)。ときどき、日本料理が恋しくなりますね」
小川の「I never cook」というフレーズは定番のジョークとして何度も記者たちの笑いを誘った。
――このなかで最初にオランダに来たのは航基だよね。最初の練習を覚えてますか?
小川「とてもよく覚えてます。監督が『時差ボケがあるだろうし、初日だから、君は今日、休みだ』と言ったので自転車をこいでました。ところが監督が『ピッチに来い!』と言い出したんです。僕は身体を温めてませんでしたが、プレーしたかった。そしてラッセ・シェーネのアシストから僕はゴールを決めました。合流初日に決めた初ゴール。『ナイス、コウキ』『ナイス、スシ』(一同笑)。それが僕の最初の日でした」
――航大、NECに来る前に、航基とNECについて訊きましたか?
佐野「ノー」
小川「彼は僕にメッセージを送ってこなかった」
佐野「NECからオファーをもらったとき、航基はすでに最初の試合でゴールを決めたので、NECというクラブのことを少し知った。赤いユニフォームが印象的でしたね。僕はオランダでプレーしたかった。ドイツ、ベルギー、イングランドはフィジカル寄りのリーグで、エールディビジはよりテクニカルで戦術的なリーグです。だから、僕のプレースタイルが生きる。オファーを受けたときは嬉しかったです」
――昨夏、健人から相談を受けたとき、なんて答えた?
佐野「健人にはたくさんの選択肢がありました。まだ大学生でしたし、彼は自分の人生のことも考えないといけませんでした。僕は、NECがどういうサッカーをするか、人びと、言葉、文化といったすべてのことを彼に伝えました。しかし、『最後に決めるのは自分自身だよ』と伝えました。そして彼は自分でここに来ることを決断しました」
笑みを浮かべながら、小川と佐野は堂々と質問に答え続ける。しかし塩貝の口数は少ない。
そこで何度か小川はトークの途中で塩貝に話題を振った。例えば「日本とオランダの違い」を尋ねられ、佐野が「オランダは右側通行、日本は左側通行。ラウンドアバウトにも慣れないといけなかった」と答えると、小川は「彼はとても危険な運転手なんですよ」と言って、塩貝を指差す。
佐野「彼は時速80キロで高速道路(日中は100キロ、夜間は120キロから130キロ制限のところが多い)を走るんです」
塩貝「最初、僕は疲れてたんです」
この日、最も大きな笑いが起こったのは、「オランダに来て、もっともクレージーに感じた経験は?」という質問に対して、佐野と小川が返した答えだった。
佐野「マリファナは日本で違法です。アムステルダムに行ったとき、『これはなんの匂いだ』と訊いたところ、代理人が『これはマリファナの匂いだ』と」
――試してみましたか?
佐野「いいえ(一同笑)」
小川「マリファナ入りのアイスクリームを知ってますか?」
――はい
小川「レストラン、専門ショップ、カフェテリアなどで簡単に買えますよね。娘と散歩してたら『アイスクリームが食べたい』と彼女が手にしたアイスクリームを買ってあげたんです。僕は本当にただのアイスクリームだと思ったんです。そしたら誰かが『ちょっと待て。なにをしようとしているんだ』と止めてくれました(一同笑)。それはマリファナの成分が入ったアイスクリームだったんです。これがもっとも危なかったことです」
口数こそ少ないが、塩貝もオランダ人を笑わせるコツを掴んでいた。
――健人、今季の目標は?
塩貝「今季は5ゴール。来季、航基はステップアップする」
小川がNECからいなくなれば、俺がこのチームのエースだという思いがありありと見える塩貝の一言に、オランダ人たちは咳こむほど笑い転げた。そしてボソリと塩貝は「来季、僕は20ゴールを決める」と付け足した。
宴もたけなわだが、いよいよ会見もお開きだ。オランダ人記者が「試合後のインタビューにも応えてくれますか?」と尋ねる。
小川「映像なしならね! ちゃんと英語が喋れるか自信がないけれど、僕たちは試合後インタビューにもトライするよ。ただし勝ったときだけね!」
――じゃあ、今度の日曜日にね!
佐野「オッケー!」
今度の日曜日はホームのアヤックス戦。そこで勝てば3人の英語インタビューを楽しむことができるかもしれない。そして、この会を催したNECの広報は「3人は今日、本当によく頑張った。こうして実戦で英語を喋ることが大事なんだ」と心底嬉しそうだった。
取材・文●中田 徹
