産業分野や地方創生にも活用、新展開進む「メタバース」関連を徹底マーク <株探トップ特集>
―石破首相の地元「鳥取県」が脚光、工場生産ラインのシミュレーションでも実力発揮―
インターネット上の仮想空間である「メタバース」が、再び高い関心を集めている。メタバースは、仮想空間で自分自身のアバターを通じて、他者と交流したり商品を売買したりできることが注目されてきた。更に、次世代インターネット「Web3.0(ウェブスリー)」時代を迎えるなか足もとではメタバースの産業分野での活用が進み、日本でもその技術が「地方創生」絡みで採用されるなど注目を集めている。メタバース関連にスポットライトを当てた。
●産業界でエヌビディアの「オムニバース」導入進む
いまや世界の株式市場で時価総額トップを争うエヌビディア 。同社はNYダウの採用銘柄となったことも話題を集めたが、その急成長の源泉は「生成AI」の隆盛に伴うGPU(画像処理半導体)需要の急増であることは間違いない。一方、同社が産業メタバースプラットフォーム「Omniverse(オムニバース)」の導入拡大をアピールしていることを忘れてはいけない。同社のGPUは画像をきれいに処理しモニターに映すことができる高精細なCG(コンピューターグラフィックス)や生成AIに対応する処理能力などに優れており、オムニバースではNVIDIA RTXシリーズを搭載するワークステーションなどの使用が推奨されている。メタバースに絡み、現実世界を仮想空間に再現する「デジタルツイン」への応用が進むなか、例えば自動車工場の生産ラインをオムニバースの仮想空間に作り出すことにより、そのラインのシミュレーションを低コストで行うことなどができる。同社資料では、電子機器の受託生産で世界最大の台湾のフォックスコン、世界的な独の自動車メーカーであるメルセデス・ベンツなどの事例が紹介されている。同社のオムニバースの導入拡大は、メタバースを再評価する動きにつながっている。
●石破首相の地元の鳥取県が「メタバース先進自治体」に
国内でもメタバースの取り組みは着々と進んでいる。10月末には旅行大手であるJTB(東京都品川区)とジェーシービー(東京都港区)の合弁会社である「J&J事業創造」(東京都千代田区)が共同事業パートナーであるAI×Web3.0メタバースの「XANA(ザナ)」とともに、鳥取県をテーマにしたメタバース空間「鳥取メタバース」を、「XANA」プラットフォーム上で構築したと発表した。XANAは、AIを活用したWeb3.0型のメタバースだ。石破茂首相の地元として知られる鳥取県だが、メタバース先進自治体の一つとしても注目を集めている。地方創生に向けた取り組みでは、これまで鳥取県をテーマにしたNFT(非代替性トークン)トレーディングカードゲームやメタバース課設立、AIアバター職員など、自治体とは思えぬ柔軟さで歩みを進めてきた。訪日外国人観光客も増大する中で、時間や場所を超え、体験やPRを行うことができる場として期待されているようだ。初代の地方創生担当大臣を務めた石破首相にとって、地方創生は最も進めなければならない事業の一つだ。地方創生の推進にも大きく絡むメタバースへの関心が再燃する可能性は、こうした方面からも改めて意識しておきたい。
以下では「メタバース」関連の銘柄を取り上げた。小売企業の仮想店舗展開などを除き、今後企業や自治体の需要が一段と高まっていくことを考慮し、メタバースに関連する技術を有し、法人向けサービスなどを展開する企業を中心に選定している。

