サッカー日本代表 北朝鮮に勝利で予選B組首位キープ 森保監督「選手たちはもう一度、自信を持つ試合ができたと思う」

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日本代表 森保一監督 写真:JFA/アフロ

サッカー日本代表が3月21日、東京の国立競技場で開催された2026年ワールドカップのアジア2次予選第3戦で北朝鮮代表と対戦し、MF田中碧選手(デュッセルドルフ)のゴールで1-0で勝ち、3戦全勝でB組首位をキープした。

日本は次戦にも3次(最終)予選進出が決まる可能性があるが、この日、次の26日の北朝鮮との平壌開催が白紙となり、試合の扱いについてFIFA(国際サッカー連盟)やAFC(アジアサッカー連盟)の決定待ちという混乱に直面している。

ベスト8という不本意な結果に終わったアジアカップ後の初めての試合で、日本は試合開始直後の左サイドの仕掛けから先制に成功。後半は攻勢に転じた北朝鮮に押し込まれる場面もありながら、リードを守って勝ち点3を重ねた。

得点場面は鮮やかだった。

左サイドでDF伊藤洋輝選手(シュツットガルト)が左ウィングで先発したFW前田大然選手(セルティック)に縦パスを送り、前田選手からFW上田綺世選手(フェイエノールト)とつないで、田中選手が逆サイドへクロスを上げる。

これをMF堂安律選手(フライブルク)が頭で落とし、MF南野拓実選手(ASモナコ)がシュート。そのリバウンドを捉えた堂安選手が、ゴール前のスペースに顔を出した田中選手へパスを送ると、田中選手が抑えの効いた一打を左足でゴールに叩き込んだ。

アジアカップはメンバー外だった田中選手だが、復帰戦で決勝点となる先制点をマークした。

これまでも、W杯カタール大会最終予選で1勝2敗と追い込まれ手迎えたオーストラリア戦で先制点を挙げ、2022年本大会のグループステージ突破がかかったスペイン戦で「三笘の1ミリ」の折り返しを押し込んだ決勝ゴールを決めるなど、厳しい状況でゴールを奪ってきたが、その嗅覚はこの日も健在だった。

田中選手は、「たまたまマイナスが空いていた。いいパスをくれたので後は決めるだけだった」と振り返った。

早々の先制点で勢いも得た日本は、その後も前田選手や堂安選手、守田英正選手(スポルティング)らがシュートで相手ゴールを脅かす場面を作ったが、精度を欠き、相手の守備もあって追加点にはならなかった。

一方で、前線から相手のボールの出どころにプレッシャーをかける守備は前田選手を中心に機能。前半は相手に思うようなパスを出させず、主導権を握って1-0で折り返した。

だが、後半に入ると北朝鮮が攻勢を強め、攻撃的な選手をベンチから送り込んで長いボールを使って反撃を仕掛け、日本は押し込まれる場面も増えた。

北朝鮮にとって最大のチャンスは後半開始早々、GKからのロングボールを受けたMFハン・グァンソン選手がペナルティエリアの手前から狙ったシュートがポストを直撃。

跳ね返りをMFペク・チョンソン選手が走り込んで押し込み、ゴールネットを揺らした。同点かと思われたが、一連のプレーで伊藤選手へのファウルがあったとして、ゴールは認められなかった。

だが、これで手ごたえを得た様子の北朝鮮は、中盤両サイドが高い位置を取って前線に4枚を並べ、そこへ手数をかけずに長めのボールやクロスを送り、ペナルティエリアで競り合う場面を多く作るようになる。

日本は後半10分過ぎにMF遠藤航選手(リバプール)を投入して中盤の構成を変え、さらに後半30分を前にDF谷口彰悟選手(アル・ラヤン)、橋岡大樹選手(ルートン)、浅野拓磨選手(ボーフム)を送り込んで最終ラインを3バックに変更して3-4-3の形で対応。最後までクリーンシートを守って、1-0で勝利した。

日本代表の森保一監督は試合後、「試合開始早々に得点できたことが大きかった。後半は苦戦したが、選手たちの勝ちたい気持ちと粘り強く最後まで戦う気持ちが勝利に結びついた」と振り返り、「アジアカップでの悔しい結果と過去の課題を踏まえてという部分でも、苦しい時間を耐えてカウンター攻撃を仕掛けることもできた。

厳しい戦いをモノにするという部分で、選手たちはもう一度、自信を持つ試合ができたと思う」と評価した。

南野選手も、「このアジアの難しい相手に勝てたことは1つの自信になる。代表チームなので、選手が代わってもできるということは示していかないといけない」と語った。

90分間フル出場で攻守に貢献した前田選手は、「1-0できっちり勝てたのは次につながる」と言う。

セルティックFWは、「相手がアグレッシブに来るのは分かっていた。こちらが受けて立つとアジアカップみたいな感じになるのは分かっていたので、最初からアグレッシブに行った。いい入りができたと思う。

後半は押し込まれる時間帯があったので、そこは反省しなければいけないが、こういう戦いはある。そこでゼロで押さえて点を取って勝ったのはよかったと思う」とコメント。アジアカップの戦いを受けての今回のチームのプレーに、一定の評価を示した。

また、「サッカーはゴールを目指してやるもの。どんな形でもゴールは正義」と言う田中選手は、ゴール以外のプレーについては、ボールを奪ったあとのクオリティや、相手のロングボールやクロスでリズムが悪くなった時に落ち着かせるプレーなどを課題に挙げた。「まだまだできる」と、レベルアップを求めていた。


取材・文:木ノ原句望