二股なのに「どちらも真剣」と言い切る“真面目だけど不誠実”な男性の思考回路とは
恋愛観は人それぞれであり、ひとりを一途に愛するのが当然と思う人もいれば複数の人に思いを向けることに違和感を持たない人もいます。
自分はそれで良いとしても、問題になるのは「どう考えてもその恋愛観はおかしい」とほかの人に思われたとき。せっかく好意が芽生えていても嫌悪に進んでしまうことも。
真面目なつもりでも実は恋愛関係を軽く考えている男性にはどんな特徴があるのか、実例でご紹介します。
二股なのに“真剣”!? 無自覚で恋愛を軽く考える男性の思考回路とは
二股をしているけれど「どちらも真剣」
39歳の男性Aさんは、「好きな人がふたりいる」という状態でした。
みずから「陰キャで女性と仲良くなる機会がなかった」と話すAさんは、それまでお付き合いをした女性はふたり、どちらも短期間で相手から別れを告げられて終わっています。
「一生懸命に尽くしたつもりだけど、合わなかったのかも」とAさんは言いますが、交際の中身を聞いてみると日々の連絡もデートの約束も相手任せであり、積極的に関係を深めようとする姿はありませんでした。
そんなAさんがいまつながりを持っている女性ふたりも、趣味のサークルで知り合って「向こうから連絡をくれるから少しは僕に気があるのかも」という状態、どうしてひとりに絞れないのかと聞けば「付き合える可能性があるかどうか見極めたい」とストレートに返してきました。
「だからふたりと真剣に向き合っている」とAさんは繰り返し、LINEでのやり取りや電話で話す時間など、誠意を持って対応している自分について話してくれました。
「付き合う」が目的の関わり方
「女性といい思い出は少ない」と眉をしかめて口にするAさんは、恋愛がうまくいかない自分について悩みますが女性との関わり方については己のやり方に疑問は持っていないようでした。
確かに、どちらの女性とも境界線を引いて相手の状況に合わせ、会話の内容も相手が振る話題に必死についていこうとするのが見えます。
自分に都合よく関係を進めようとしないことは相手にも伝わっているはずで、だからまた連絡をくれる、「こんな自分をよしと思ってくれているはず」とAさんは考えています。
いいなと思う人がふたりいて、「どちらと真剣な交際が叶うか」をしっかりと考えたいから同時進行で関係を深めていく、が正解かどうかはわかりませんが、「少なくともふたりに迷惑はかけていないはず」とAさんは繰り返しました。
今のつながりのゴールが「付き合う」ことにあるので、自分との相性を見極めるために会話を重ねる、相手を知っていくのは間違いでないと筆者は思います。一方で、頭に浮かぶのは「どちらにも真剣になれないのでは」という疑問でした。
見透かされる恋愛への姿勢
Aさんが筆者に持ちかけた相談は、どちらの女性を選べばいいかではなく「どちらの女性とも進展しない今の状態」についてでした。
LINEはするし電話で話すこともあるのに、「デートに誘うような雰囲気にならない」「日曜日にお互いに休みだとわかってもふたりで食事に行くような流れにならない」と、いつまでも友達関係から抜け出せないことにストレスを感じていたのですね。
「思い切ってこちらから声をかけるのが早い」と伝えると「断られたら気まずくなるし」とAさんはまず返し、「誘ってもOKな空気があれば言いやすいのだけど」と肩を落とします。
「それはお互いさまじゃないの? 女性だってそんな流れを自分で作るのは勇気がいるでしょう」と言うと黙りますが、「今まで僕から食事に誘っていい返事をもらえたことがない」とつぶやくAさんにとっては、その女性たちの状態に抵抗があるようでした。
結局、どちらの女性ともそのときその場では盛り上がるけれど「次の段階」につながるような心の動きが見えず、そのためにAさんは自分が感じた相手からの好意が本物なのかどうか自信がなくなっていました。
それなら自分は芽生えた好意をどう女性たちに伝えていたのか、を聞いてみると、「褒める」「感謝する」「また話したいと伝える」と、Aさんなりに「相手が不快に思わないような伝え方」を考えていました。
あと一歩をこちらから踏み出すことはできないけれど、自分もあなたに好意を持っていると伝えていけば相手が動いてくれる、または自然と事態がそう動く、とどこかで願っていることは、「女性でもその人が好きなら誘うものじゃないの?」という言葉からわかります。
おそらく、どちらの女性にもそんなAさんの戸惑いや不安が伝わり、「誘われ待ち」を見透かされているのかもな、と思いました。
「気になる人がふたりいる」という矛盾
傷つきたくない、できれば自然な流れで女性との仲を深めたいと考えるAさんの気持ちはよくわかります。
振り回すのではなく距離を置いて丁寧に接したいとする言動も伝わるのですが、問題は自分の本気度を知ってもらいたいと思ったときの「複数の女性に気持ちを向ける矛盾」です。
本来、恋愛は一対一で進めるものであり、心から「好きだ」と思えるのはひとりだけ、それをお互いに受け入れて交際は成立します。
現在「どちらと付き合えるかを見極めたい」とするAさんはふたりの女性を天秤にかけている状態で、つまりいつまでも肝心の本気度を本人が育てられない中途半端なつながりが続いています。
その本気度を決めるのを相手任せにしているのが、Aさんの関わり方のまずい点。
女性からの視点でいえば、自分以外にも粉をかけている人がいると知ることはなくても、無難な話題ばかりでふたりの関係を積極的に進めようとしない、「今日は休みで時間があるんだ」とだけ伝えて「どう返すか様子見をする気配を感じる」Aさんの姿に、“誘ってほしい”の圧に窮屈さを覚える可能性もあります。
「どちらが誘うのが正解か」「好きなら自分から誘うはず」の話ではなく、こちらの言動を先に待つAさんが垣間見えるため、そこで好意が止まってしまうかもしれません。
「気になる人がふたりいる状態」は、Aさん自身が「どちらの女性にも真剣に向き合っている」つもりでも、実際は「仲を深める決定打をどちらにも出せずに立ち往生する」ことになるのですね。
その決定を相手の動きに任せてしまえば、女性から動かない限りいつまで経ってもつながりに変化はなく、「どちらと付き合えるか」の見極めもできません。
決定打を避ける限り愛情は深くならない
恋愛にあまりいい思い出のないAさんにとって、ふたりの女性に好意を向ける自分について違和感はなく、それは「できれば傷つかず苦労せず、女性といい雰囲気になりたい」「愛される自分が見たい」という欲があるからです。
勇気が出せないのは拒絶が怖いから、「好きならこうするはず」の思い込みが強いのは先に叶えてもらうことで自分の気持ちを決めたいから、受け身を当たり前にしているので「ひとりを真剣に愛する自分」のイメージを掴めていないともいえます。
その状態で「どちらと付き合えるか」を見極めるのは至難の業であり、恋愛関係を人と人の情愛が結びつく貴重なつながりと思っている人ならまずできません。
一対一で心を開くのが恋愛であり、複数の人に好意を向けて「選ぶ」ようなやり方は、人から向けられる情愛を軽く見ているとも感じます。
それは経験のなさ、Aさんが背負ったこれまでの背景から生まれた姿であり、決して責められるものではありませんが、叶わない現実もまたAさんは受け入れる必要があります。
どちらの女性とも仲が進展しないのはなぜなのか、真剣に向き合うべきなのは相手ではなくまず自分の本音です。
「付き合えるかどうか」で異性とのつながりを見るのが悪いとは決して思いませんが、その人と自分はどうなりたいのか、自分はどうありたいのかの本音がわかれば、複数の人に好意を向けることの矛盾に気がつくはずです。
決定打を避ける限り、誰とも愛情は育てられないのですね。
「どちらと付き合えるか」ではなく「どんな恋愛がしたいのか」
人に愛されたいのは男女関係なく誰もが願うことですが、Aさんのように交際ありきで相手を見てしまうことの危険は、極端にいえば「交際にたどり着けるなら誰でもいい」のような中身のないつながりになる恐れです。
好きになってくれるからこちらも本気になる、のような受け身でいると、その人の人間性や価値観を理解できないまま恋愛感情のみに価値を置いてしまい、結局は「好かれているかどうか」しか関心が向きません。
幸せな恋愛は互いに愛し合うこと、それには相手のなかにある愛せる部分を大切にする自分が欠かせません。
付き合えるかどうか、ではなく「自分が幸せに思う恋愛はどんなものか」「どんな恋愛がしたいのか」を、経験の少ない人は考えてみるのも相手を尊重することの大切さに気が付きます。
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どんな恋愛をしようともその人の自由ですが、うまくいかない、思い通りに進まないときはつまずきの原因をきちんと見ることが重要です。
そこに自分の考え方のおかしさが見えたときは、まずは本音を確認することをおすすめします。
恋愛は相手ではなく自分で幸せを築いていくもの、と心得たいですね。
