GLで敗退したドイツ【写真:ロイター】

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「ONE LOVE」腕章の着用断念、日本戦で口を手で覆うパフォーマンスを披露

 ドイツ代表は11月23日のカタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第1戦で日本代表と対戦し、試合前の集合撮影時にドイツの選手たちが口を手で覆うパフォーマンスを披露して話題を呼んだ。

 その裏ではチーム内で意見の対立があったという。英メディア「90min」ドイツ語版が伝えた。

 カタールでは同性愛や同性との関係促進が禁じられているなか、欧州の7チーム(イングランド、ウェールズ、ベルギー、デンマーク、ドイツ、オランダ、スイス)のキャプテンが、LGBTQ(性的少数者)の権利への連帯を表した「ONE LOVE」と記された虹色の腕章を腕に着用する予定だった。

 最終的に国際サッカー連盟(FIFA)が、代表チームの選手らが着用した際に制裁を科すと警告。選手たちが処分を受ける可能性が浮上したため、欧州の7チームは着用を断念していた。

 そんななかで、ドイツ代表チーム内では意見の対立があったという。記事では「Sport1のパトリック・ベルガー記者が明かしている」と紹介。ベルガー氏は「日本戦の前日、ホテルで1時間座ってドイツは話し合った。ミーティングは本当に白熱した」と語っている。

 焦点はFIFAの警告を受けてどう対処するかで、チームで意見が割れたようだ。「いくつかの派閥があった。自分たちを強力なオピニオンリーダーとみなすレオン・ゴレツカやマヌエル・ノイアーの派閥で、大会前に『チームとして模範を示さなければならない』と発言していた。そして、ギュンドアンやリュディガーの派閥は『我々はサッカーに集中したい、そんなことはしたくない』と言っていた」と、ベルガー氏は内幕を明かす。

 最終的にドイツ代表は腕章を着用せず、FIFAの警告に対する抗議として口を手で覆うパフォーマンスに落ち着いたという。「ベルガー氏の報告は、ドイツ代表の『ONE LOVE』論争がいかに大失敗だったかを示している。パフォーマンスに影響を与え、チームが望んでいたことでもなかった」と記しており、大会直前の論争が少なからず影響を与えていたと考察していた。(FOOTBALL ZONE編集部)