上位者が辞退続出も過去最高のトップ5入り4人 層の厚さを見せた日本勢の収穫と課題【アジア太平洋アマ】
来年の「マスターズ」と「全英オープン」の出場権をかけたアジア太平洋地域ナンバー1決定戦は、日体大2年の鈴木隆太が最後まで優勝争いを演じてトータル9アンダー・3位タイと大会を盛り上げた。鈴木以外にも隅内雅人(水戸啓明高校3年)、大嶋港(関西高校2年)、欧陽子龍(米国・オクラホマ州立大5年)の3人がトータル8アンダー・5位タイ。トップ10に4人が入ったのは霞ヶ関CCで行われた2010年と並ぶ最多タイ。トップ5で見れば初めてのことだ。
■フレッシュな顔ぶれがタイで躍動
今大会の出場資格は世界アマチュアランキング。例年、大学生を中心とした日本のトップ選手が出場するが、今年は大学日本一を決める団体戦が同週に開催された。95年ぶりに「日本オープン」を制し、ツアー史上初のアマ2勝を挙げた世界アマランキング1位の蝉川泰果や国内男子ツアー「ダイヤモンドカップ」で2位タイに入った鈴木晃祐、「日本オープン」で3位タイに入った杉浦悠太、今年の日本アマ覇者の岡田晃平、日本学生覇者の宇喜多飛翔ら世界アマランキング上位者は大学の試合を優先した。
上位陣が辞退するなか、高校生が3人出場するなどフレッシュな顔ぶれとなった。世界アマランキング日本勢では最下位となる498位の鈴木が優勝争いしたことに加えて、上位に名を連ねた選手が多かったのは日本のアマチュアゴルフ界の層の厚さを示したといえる。今後の活躍が楽しみな5位タイに入った3人の収穫と課題を聞いた。
■来春大学進学の隅内雅人「海外の選手は長いパットが入る」
初出場の隅内は高校生活最後の試合と位置づけて臨み、最終日に「69」をマークして順位を上げた。4日間通してショットは「ほぼ思い通り」打てていたが、芝目の強いグリーンに苦戦した。「2日目、3日目が悔やまれます」と話したが、両日とも途中まで3〜4アンダーまで伸ばしながら終盤に崩して「71」、「72」と伸び悩んだ。「タラレバですけど、二日とも60台なら優勝争いできていた」とショット力に関してはアジアのトップ選手の中でも引けをとらないことは肌で感じた。
海外の選手と差を感じたのはパッティング。「海外の選手はけっこう長いパットを入れてきました。自分は前々からパッティングが課題でしたが、その差を改めて痛感しました。海外選手のように入るようになれば、いつでも勝てるような気がします」。72ホール目は10メートルのバーディパットを沈めて「すっきりしました」と笑顔を見せたが、今大会の悔しさを持って来春から大学に進学して、さらに力をつけて来年のリベンジを誓った。
■磨いた小技を発揮した大嶋港「かなりいい経験になった」
4日間のうち3日間2アンダー以上をマークした大嶋港も初出場。身長157センチと小柄ながら昨年の「日本ジュニア」を制して、今年からナショナルチームの一員である。「(ナショナルチームの教えで)引き出しが増えて、ショートゲームは上達して得意になりました」。この1年で磨いた小技はタイでも成果を発揮して何度もピンチを救った。長いパットを沈める場面もあったが、「パッティングが苦手。いいところもありましたが、凡ミスもかなりありました」とパッティングはさらに極めたいところ。
今大会を振り返ると「出られるだけでもうれしい大会。今年うまくゴルフができていなくて苦しかったんですけど、いいゴルフができたので自信になりました。アジアのトップレベルの選手と一緒に回れてかなりいい経験になりました」。松山英樹に憧れを抱く17歳は世界の舞台で自信を深めた。来月にはフィリピンで行われるアジア太平洋地域のチーム戦「ノムラカップ」が控えている。「さらに調子を上げてがんばりたい」と団体戦のナンバー1を狙う。
■1W平均キャリー310ヤードの欧陽子龍「耐えるゴルフもできた」
2回目の出場となった欧陽子龍(レオ)は、日本生まれだが14歳から米国在住で名門・オクラホマ州立大学に通う。身長193センチの恵まれた体格を活かして、ドライバーの平均キャリーは310ヤードを誇る。最終日は首位と7打差のスタート。「今日は(逆転優勝は)奇跡を起こさないといけない感じ」と攻めたが、「伸ばせなくてもトップ10には入れればと思ってプレーしていた」と攻めてもボギーの数を減らした。昨年は21位タイに終わったが今年は納得のトップ5入りとなった。
飛距離はプロの世界に入ってもトップクラスといえる。「今まではバーディを取ってもボギーが多くて不安定だった。今週は課題だった耐えることもたくさんできた」としのぐ場面も多かった。「ドライバーの精度はかなりよくなってきたけど、もう少し。アイアンも正確性を上げればもっと上位に行けると思う」とショットの精度を課題に挙げた。
来年5月には大学を卒業してPGAツアーのQスクールに挑戦予定。「最後は2.5メートルのパーパットで緊張したけど、きっちり入れることができた。メンタルも少しよくなったね」。ポテンシャルを持て余すことなく、全体の底上げを図ってプロの世界に飛び込むつもりだ。
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