事務所の入り口に掲示されている告示書

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防虫剤の「アサヒパラ」や消臭剤の「アサヒカラー」などの製造も手掛けていた

 アサヒ晶脳(株)(TDB企業コード:400000398、資本金1000万円、愛知県北名古屋市沖村六反68、代表長江幸雄氏)と関連会社の(株)アサヒ(TDB企業コード:400250597、資本金1000万円、同所、同代表)は、4月20日に事業を停止し、事後処理を春馬学弁護士(名愛知県古屋市中区錦3-5-30、and LEGAL弁護士法人、電話052-951-8266)ほか1名に一任、自己破産申請の準備に入った。

 アサヒ晶脳(株)は、1955年(昭和30年)10月設立の入浴剤等製造業者。自社ブランド「バスメロディー」を展開し、バリエーションにこだわった癒しシリーズや名湯シリーズなどを取りそろえ、従前はテレビコマーシャルなどを打っていたこともあって高い知名度を有していた。そのほか、防虫剤の「アサヒパラ」や消臭剤の「アサヒカラー」などの製造も手がけ、84年5月期には年売上高約9億8500万円を計上していた。

 しかし、同業者が多数ある業界にあって、他社製品との差別化が進まなかったほか、海外製品との価格競合も熾烈化し、近時の業況は厳しくなっていた。自社サイトなどでインターネット通販を行うほか、ふるさと納税の返礼品にもなるなど巻き返しを図ったものの、2021年5月期の年売上高は約5300万円にまでダウン。赤字計上が続き財務内容も毀損、資金繰りは悪化していた。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、取引先の事業活動が停滞したことで当社の受注も一段と落ち込み、今後の業況改善の見込みも立たなくなったことから、今回の事態となった。

 関係会社の(株)アサヒは、1977年(昭和52)年4月設立の洗剤等の製造業者だが、アサヒ晶脳(株)に連鎖する形で同様の事態となった。

 負債は現在調査中。