野村アセットマネジメントが設定・運用する「ダブル・ブレイン」がファンド オブ ザ イヤー2020オルタナティブ型 部門で最優秀ファンド賞を受賞した。同ファンドの運用について野村アセットマネジメントのアドバイザリー運用部ポートフォリオ・マネージャーの木下侑紀氏(写真)に聞いた。

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 野村アセットマネジメントが設定・運用する「ダブル・ブレイン」がファンド オブ ザ イヤー2020オルタナティブ型 部門で最優秀ファンド賞を受賞した。同ファンドは2020年のトータルリターンは3.44%のプラスとなり、類似ファンド分類平均を1.28%上回った。特に、3月のコロナショックによる急落の中、市場の変化を迅速に捉え、機動的に投資配分を変更して基準価額の下落を小さな水準に抑えるなど、卓越したリスク管理機能を見せた。同ファンドの運用について野村アセットマネジメントのアドバイザリー運用部ポートフォリオ・マネージャーの木下侑紀氏(写真)に聞いた。

 ――当ファンドの運用の仕組みについて教えてください。

 「ダブル・ブレイン」は2つの戦略に投資しています。「リスクコントロール戦略」と「トレンド戦略」です。それぞれは、金額ウエイトで約85対15、リスクウエイトでは8対2の関係で組み合わせています。この組み合わせの比率は原則変更なしで運用しています。

 「リスクコントロール戦略」は、ファンドのメインエンジンといえます。リスクパリティ運用を行っており、約50市場に投資をしています。株式、国債、クレジット、インフレ連動債、コモディティの5つのアセットクラスでリスクウエイトを一定にしていて、投資配分比率を日次で調整しています。また、下落抑制機能であるブレーキ機能をもっていて、相場の異変時には、ファンドが受ける相場の下落の影響を小さく抑えるような仕組みが備わっています。

 トレンド戦略は、トレンドフォロー運用を行っており、約500市場という幅広い市場に投資をしています。約500市場の資産の動きをモニタリングし、ロングポジション、ショートポジションを構築しています。相場に下落トレンドが出た場合はショートポジションをとって、そこから下落を収益に変える構造になっています。この戦略は、コロナショックの時に、一部の通貨などの上昇トレンドや、一部の株式などの下落トレンドをシステムが見極め、投資対象資産でそれぞれロングポジション・ショートポジションをとったことで、ファンドの基準価額にプラスの寄与となりました。

 リスクコントロール戦略は、ロングポジションだけで運用していますが、ショートポジションがとれるトレンド戦略を持つことによって相場の下落局面で下落リスクを抑えることができます。2つの戦略を併せ持つことによってファンドの安定的なリターンにつながっていると考えています。

 ――当ファンドは、今後の市場変化にどのように機能するのでしょうか? 

 たとえば、金利上昇の局面では、債券価格が下落しますので、リスクコントロール戦略は債券の組入比率を徐々に落としていくブレーキ機能で債券下落の影響を小さくします。また、約50市場に分散投資していますので、債券の下落トレンドがあったとしても他の部分で収益を捉えることをめざして運用します。一方、トレンド戦略では、ショートポジションの構築が可能ですので、債券下落のトレンドを察知すると債券をショートにして収益化が可能です。かつ、約500市場に投資していますので、債券が下落トレンドにあったとしても他の資産で挽回を図ります。このように、両戦略を合わせて債券価格下落の影響を抑制し、かつ、その環境下での収益資産への投資によって金利上昇リスクへの耐性のあるポジションは構築できると考えています。

 また、株価が下落する局面では、リスクコントロール戦略では株式の投資配分比率を抑えていくブレーキ機能で下落の影響を抑制できます。一方で、トレンド戦略ではショートポジションを構築することができますので、その部分で収益化ができます。株価が仮に下落のトレンドに入った場合でも対応することができます。