Facebookでのアカウント停止やコンテンツ削除についての異議申し立てに関する判断や決定を行うFacebook監督委員会が、多くのユーザーに影響を与える可能性があるコンテンツ削除についての審議事例6件を公開しました。その中でも「女性の乳房を撮影した写真」についてはかなりの議論が行われた模様だと報じられています。

監督委員会による最初の審議事例と受託者の任命についての発表 | 監督委員会

https://www.oversightboard.com/news/719406882003532-announcing-the-oversight-board-s-first-cases-and-appointment-of-trustees/

Leaked Documents Show Facebook’s Absurd 'Breast Squeezing Policy'

https://www.vice.com/en/article/7k9xnb/leaked-documents-show-facebooks-absurd-breast-squeezing-policy

Facebookから独立した第三者機関として2020年に発足した組織です。所属する20人のメンバーには元デンマーク首相のヘレ・トーニング=シュミット氏や、スタンフォード大学ロー・スクールのパメラ・カーラン教授、人権活動家でノーベル平和賞受賞者のタワックル・カルマン氏など、政治・法律・人権問題などの専門家が任命されています。

Facebookではポリシーや利用規約に基づいて一部のコンテンツが削除されることがありますが、投稿したコンテンツを削除されたユーザーは、処置に対して異議を申し立てることができます。Facebook監督委員会はこの異議申し立てが正当かどうかを判断するだけでなく、Facebookのポリシーや利用規約の見直しを勧告する権限も与えられています。

2020年12月1日、Facebook監督委員会は審議対象となった最初の事例を公開し、パブリックコメントの募集を開始しました。Facebook監督委員会は「委員会で全ての異議申し立てを審理することは困難なため、世界中の多くの利用者に影響を与える可能性がある事例、公共の議論にとって極めて重要な事例、またはFacebookのポリシーに重要な疑問を提起するような事例を優先しています」と述べています。

公開された6件の事例のうちの1つである「2020-004-IG-UA」は、女性の乳房を撮影した写真が削除されたというもの。問題となった写真8枚のうち、5枚の写真は女性の乳首が隠されておらず、残り3枚は乳首が写っていないか、手で覆われた状態の乳房が撮影されていました。Facebookは「成人のヌードと性的行為」のポリシーに違反したとしてこの写真8枚を削除しましたが、投稿者は「背景にピンクの背景色を使っており、乳がん予防を目的としたピンクオクトーバーキャンペーンの一環だった」と主張しています。

この乳房の写真について、ポリシーの更新をFacebook監督委員会から勧告されたFacebookが、「女性の乳房をもみしだく写真の違反基準はどのラインなのか?」という問題について議論していたことを示す内部文書を入手したと海外ニュースサイトのViceが報じています。

Viceが入手した内部文書によれば、Facebookは実際に女性が自分の乳房に手をあてている複数枚の写真に対して「これはセーフ」「これはアウト」と議論していたとのこと。

Facebookは最終的に「女性の胸や衣服をつかむ動きがない限り、手のひらやまっすぐな指で乳房を覆うか押しとどめる」ことは問題がないと判断し、「乳房のサイズや形に応じて手のひらが湾曲している写真は認められるが、乳房をつかんでいる場合は認められない」と定義しました。また、完全に服を着ていても、女性の乳房を揉む写真に他の人が写っている場合はポリシー違反になるとしています。

Viceは「ガイダンスはとても具体的で、非常に臨床的であり、公式のポリシー文書としてはかなり変わっている」と述べています。