各メディア絶賛、ヒロイン、オリヴィア・クックが光る『Vanity Fair』 サッカレー「虚栄の市」が原作

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画家とオペラ歌手の間に生まれた貧しいベッキー(オリヴィア・クック)が霧の都ロンドンに上京し、上流階級との恋愛を目指す『Vanity Fair(原題)』。ヴィクトリア朝を代表する作家であるサッカレーの長編小説「虚栄の市(いち)」をドラマ化した本作は、英ITVで9月2日(日)より放送をスタート。オリヴィアが画面に放つ快活なヒロイン像が好評だ。

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■ウソと陰謀を武器に、上流社会へステップアップ
19世紀初頭に生きるベッキーは、ウソが得意な世渡り上手。貧しい家系の出でありながら、富裕層の仲間入りを目指す。ドラマ冒頭で女学校を卒業したベッキーは、上京のためロンドン行きの汽車に飛び乗る。「学校は終わり。これが本当の世界」と意気揚々の彼女に同行するのは、女学校の親友、アミーリア(クローディア・ジェシー)。彼女の実家に1週間ほど寄宿できることになり、次いで家庭教師の職も獲得。何とも幸先の良いスタートを切る。

寄宿先では、アミーリアの兄ジョス(デヴィッド・フィン)がインドから帰国したところ。自分の業績を鼻にかける好感の抱けない男だが、東インド会社に勤めており、羽振りが良いのもまた事実。その暮らしぶりに憧れたベッキーは誘惑を試みる。快活な彼女にすっかり心を奪われたジョスは繰り返しプロポーズを試みるも、タイミング悪く運ばれて来た食事に邪魔されるなどして失敗。ベッキーが次の職のためにアミーリアの家を去る日にも二日酔いで姿を見せることができず、二人の縁は結ばれずじまいとなる。

失意のうちに次に教えるハンプシャー家の邸宅に向かったベッキーだが、早速、馬で訪ねて来た兵士が彼女に一目惚れ。処世術に長けた彼女は好機を捉え、貴族階級への階段を着々と上がってゆく。

■熱気ほとばしるヒロイン
原作となった19世紀の小説は、これまでに幾度となく映像化されている。しかし、今作の出来栄えを見るに、再度ドラマ化する価値はあったと英Guardianは断言。社会の階級を駆け上がるベッキーは熱気に満ち、ドラマからも活気と生気を感じると評価している。画家とオペラ歌手の間に生まれた貧しい彼女は、決して希望を捨てることがない。ロンドンへの汽車の中で「この状況から抜け出す方法がきっとあるはず」とアミーリアに語る彼女は、好感のもてるヒロインだ。

「明日は今日より良い日にしたい」という別の印象的なセリフをとり上げるのは英Telegraph。度重なる困難にもめげないその姿を、『風と共に去りぬ』の主人公、スカーレット・オハラのようだと例える。時代劇としての出来にはやや穴もあるものの、主人公が魅力的な作品だとしてその価値を認めている。

■ブレイク寸前の主演・オリヴィア
ストーリー上、まだあどけないその顔に企みを浮かべることも多いベッキー。Guardianは、それにも関わらず決して嫌悪感の対象となることはないと述べ、演じるオリヴィアの才能を評価している。胸中に渦巻く陰謀を表現しながらも、あくまでフレッシュな雰囲気を保っている。

そんな彼女について、本作で国際的な女優としての地位を確固たるものにするだろう、と猛プッシュしているのは英Express。印象的で自信に満ち、画面映えの良い魅力的なルックスを備えていると絶賛している。ドラマの製作陣も、彼女のブレイクを確信している様子だ。キャスティングにあたり彼女を熱心に推薦したというジェームズ・ストロング監督は、オリヴィアの役のこなし方は驚くべきレベルであり、国民の心に印象を残すだろうと語っている。

だがこれらの賞賛に反し、本人はあくまで謙虚だ。今回の仕事には興奮していて、計り知れないほどの感謝の念を抱いていると語るオリヴィア。同紙によると、原作小説の刊行以来長年愛されているヒロインを演じる自信がなく、採用の報を耳にした瞬間は、製作側が人選を誤ったのではと感じたほどだったという。いざ撮影が始まると、当時と同じタイトなコルセットを着用し、13〜14時間の撮影をこなす忍耐力を発揮。食欲もなくなってしまうほどで、かなり体重も落ちたという若きスターの努力は、共演のベテラン女優フランシス・デ・ラ・トゥーアも大いに認めている。

既存の映像化作品とは違ったベッキー像を目指した、と明かすオリヴィアの『Vanity Fair』は、英ITVで放送中。関連作として、彼女が出演するサイコ・サスペンス『ベイツ・モーテル』シリーズは、シーズン1から3までをNetflixで配信中。シーズン4はWOWOWプライムで10月24日と25日に全10話を一挙放送。最終章となるシーズン5は10月26日(金)から放送開始となる。(海外ドラマNAVI)