【C大阪】「真摯なビッグネーム」フォルランがC大阪に残したもの
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フォルランのキャリアを振り返る|代表編
C大阪の一員としての最後の試合は、家庭の事情で一時離日後、18日に戻ってきた影響や、今後を見据えたチーム事情もあってか、19日の段階でパウロ・アウトゥオリ監督が「ディエゴのベンチ入りはない」と断言。メンバーに入らず、スタンドからチームメイトの勇姿を見守った。
昨年2月12日に関西国際空港へ降り立ち、その後にヤンマースタジアム長居で加入会見を行なった時から、約1年4か月。まさかのJ2降格など、数々の苦境に立たされ「サッカーに関しては良い状況ではなかった」(フォルラン)点は否めない。
今季も、チームがJ1昇格を目指すなか、クラブの財政状況が影響したとはいえ、志半ばでC大阪を去ることになった。それでも、「いろんな人に出会えてとても幸せで、今はありがとうという気持ち」と、真っ先にクラブ関係者はじめ、日本で関わった人たち、サポーターに感謝の言葉を残した。
先週のトレーニングでは、慣れ親しんだ舞洲グラウンドで、ピッチの感触を踏みしめるように、黙々と走り込んでいた。その姿は、加入当初から見せていた、ストイックなアスリートそのものであり、最後まで自らのスタイルを貫き通した。
「今までの自分の経験をみんなに伝えられたこと、自分のトレーニングの姿をみんなに見てもらったことで、なにか伝えられたのかなと思う」と、彼の残したものは、決して小さくなかったはずだ。
フォルランがC大阪に与えた影響が小さくなかった点は、
「プロ意識の高さを練習から見せてもらえたので、それをもっと自分たちもやっていかないといけない」(丸橋祐介)
「なにに対しても真摯に向き合うし、そういうプロフェッショナルな選手だった」(山下達也)
「ディエゴ(フォルラン)がC大阪に来た意味、学べた部分は自分たちが成長していくことによって活きてくると思うので、しっかりとこれからにつなげていきたい」(扇原貴宏)
など、チームメイトの言葉からも明らかだ。昨季、そして今季もここまでチームトップのゴール数を記録し、数字という結果でも存在感を示した。
徳島戦では、親交の深い長谷川アーリアジャスールの決勝点で、C大阪が勝利。フォルランに白星というはなむけを送った。
その後に行なわれたセレモニーでは、「本当に大好きになったこのチームを去るということで、非常に残念だが、心の底から仲間たちのJ1昇格を祈り続けたい。そして、いつの日かまた日本に帰ってきて、皆さんとお会いできる日を心から楽しみにしている。今まで本当にありがとう!」と、ラストメッセージを語った。
浪速の地で愛された男は、チームメイトに胴上げされ、サポーターからの熱いフォルランコールを受けながら、C大阪に、Jに、別れを告げた。
取材・文:前田敏勝(フリーライター)

