飛行機に乗って旅行や出張に行く時に大変なのが、自由の利きにくいシートで快適な睡眠を取ることです。特にエコノミークラスのシートだと、背もたれを限界まで後ろに倒しても、右を向いても右を向いても心地よく眠れる姿勢を見つけることは難しいものですが、航空機メーカーのボーイングが特許を取得した「抱きベッド」とも呼べるシートは、これまでにない「前方」のスペースを利用した睡眠方法を可能にするものになっています。

Boeing Files Patent for Potentially Genius ‘Cuddle Chairs’ | Travel + Leisure

http://www.travelandleisure.com/articles/boeing-files-patent-for-potentially-genius-cuddle-chairs

Boeing's new patent might actually help you sleep on planes | The Verge

http://www.theverge.com/2015/4/11/8387753/boeing-sleep-support-system-could-help-you-sleep-during-flight

いったい抱きベッドはどのようにして座り、眠ることができるのか、以下のムービーを見ればわかるようになっています。

Boeing patented cuddle seats for air travel - YouTube

多くの人が不満に思うのが、飛行機の長いフライトで眠れないという現実。



特に、エコノミークラスだとフライト後には疲れ果てて体のあちこちが痛いということもよく聞きます。



もちろん、お金にモノを言わせればビジネスクラスのような快適な空間を手に入れることもできるわけですが、なかなかそうはいかないことが多いもの。



そんな不満を少しでも解消しようとしたのが、ボーイングが開発、特許取得済みの「輸送車両における立位睡眠サポートシステム(Transport Vehicle Upright Sleep Support System)」です。



「抱きベッド」の使い方は以下のとおり。普段は一般的なシートと同じ見た目ですが、重要なパーツがシートの下に隠されています。



シートの下から、「バックパック(Backpack)」を取り出して、まずはヒザの上にスタンバイ。



バックパックのてっぺんに内蔵されている、2本のストラップを引き出します。



ストラップの金具を、シートの頭の部分の横にあるバックルに「かちゃり」とつなぎます。



次に、バックパックの背面部をパタッと起こして「ヘッドクッション(Head Cushion)」をセット。この部分を枕のようにして使うのですが、なんとその向きは前向きに頭を載せるというもの。



バックパックを体に近づけ、寝る体勢に入ります。ヘッドクッションには、マッサージ用のベッドで見かけるような、顔を置くために開けられた穴が設けられています。



こんな風に、クッションの穴から顔をのぞかせることができるので、睡眠中も息苦しい思いをせずに済みます。



さらにバックパックを体にグッと引き寄せて自分の胸に当て、体を前に傾けるとシートにつないだストラップがピンと伸びて、寝ている時も体が倒れてしまわずに済む、というわけです。



このようにして抱きベッドを使えば、フライト中でも心地よい睡眠を取ることができる、というのがボーイングの狙いとなっているのでした。



抱きベッドとなるバックパックのイメージはこんな感じ。「26」のヒンジを中心にヘッドクッションを装着するフレームをくるりと回転させ、「22」のファスナーの中に格納されたヘッドクッション「20」を取り出してフレームに装着します。「14」のストラップはシートに固定するほか、バックパックを背中に背負うためのストラップとして使うことも可能。



シート装着時の様子がこちら。寝る際には自分の体をバックパック「24」にもたれかけさせて寝るわけですが、その際には腕を入れて安定させるためのアームサポート「42」や、バッグを安定させるためのスタビライザー「40」などを使うことも考慮されています。



さらに、この仕組みを応用してノートPCを快適に使えるようにするためのシステムも考案されています。狭い機内で、小さなテーブルの上で作業することはさまざまな不自由を伴うものですが、この仕組みがあれば自由度がグッと上がるのかもしれません。



このような仕組みを備えておけば、一般的なバックパックやビジネスバッグに機構を組み込むことも可能なので、各バッグメーカーから、「抱きベッド対応モデル」のバッグが発売されても不思議ではないような気もしてきます。飛行機の中に限らず、新幹線やバスの中でも良好な睡眠環境を手に入れることが可能になるのかもしれません。