ガラスより高性能、カーボンより低コスト--2031年1.95億米ドルへ向かうバサルト繊維市場
産業特性:高性能×低環境負荷で広がる用途
バサルト繊維産業の発展は、複合材料市場の高度化と環境規制強化の双方を背景に加速している。とりわけ欧州を中心とした自動車軽量化規制、再エネ設備の大型化、建設インフラの老朽化対策など、各産業が「より強く、より軽く、より長寿命」な材料を求めるトレンドに合致している点が大きい。バサルト繊維はガラス繊維より優れた耐熱・耐薬品性を持ちつつ、カーボン繊維より低コストであるため、性能と経済性のバランスが良い。さらに、玄武岩は地球上に豊富に存在するため供給安定性が高いこと、製造時の添加剤をほぼ必要とせず工程がシンプルであることから、環境負荷の低い素材としてサステナビリティ志向の産業で採用が拡大。複合材メーカー、建材メーカー、モビリティ企業が次世代材料への切り替えを検討する中で、バサルト繊維は「代替素材」でなく「新しい標準素材」としての位置付けを強めつつある。
市場規模:年率9.6%で拡大する成長市場
LP Informationの「世界バサルト繊維の布市場の成長予測2025~2031」(https://www.lpinformation.jp/reports/245436/basalt-fibers-cloth)によれば、世界市場は2025年から2031年にかけてCAGR9.6%という高い成長率で拡大し、2031年には1.95億米ドル規模に達すると予測されている。この背景には、建設補強材や複合材向け需要の持続的増加と、風力発電・電動化モビリティ・水素関連設備など新産業領域での利用拡大がある。特にインフラ分野では、耐腐食性に優れるバサルトFRPロッドやメッシュの採用が進み、気候変動による沿岸インフラの耐久性強化ニーズとも合致している。アジア太平洋地域は供給・需要の両面で存在感が強まっており、中国を中心としたメーカーの設備投資が市場成長を下支えしている。バサルト繊維はまだカーボンやガラスに比べて市場規模が小さいものの、複合材産業の構造変化により新たな市場創出が続いており、今後も中長期的な成長が期待される。
図. バサルト繊維世界総市場規模
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図. 世界のバサルト繊維市場におけるトップ17企業のランキングと市場シェア(2024年の調査データに基づく;最新のデータは、当社の最新調査データに基づいている)
主要企業:世界の供給を支えるトッププレイヤー
LP Informationトップ企業研究センターの分析によれば、バサルト繊維の主要製造業者にはGuizhou Shixin、Sichuan Fiberglass、Zhejiang GBF、Sichuan Juyuan Basalt Fiber Technology、Qianyi、Sichuan Aerospace、Tongxin、Kamenny Vek、Zhengzhou Dengdian CBF、Sudaglassなどが名を連ねる。2024年時点で世界の上位5社が売上ベースで約55.0%の市場シェアを占めており、供給集中度は比較的高い。とりわけ中国メーカーは原料調達の優位性と設備拡張のスピードで存在感を増し、世界市場の供給安定性に大きく寄与している。一方で、ロシアのKamenny Vekや米国のSudaglassも高性能グレードに強く、航空宇宙や軍需用途で重要な役割を果たしている。各社は生産能力拡張、フィラメント品質向上、新グレード開発に積極的に投資しており、市場の成長とともに競争環境はさらにダイナミックなものになっている。
