湖南省長沙市に住む女性の楊さんは1日夜、近所のスーパーで卵20個を買った。家に帰ってから、料理に使おうと割った。黄身が2つ入っていた。楊さんは「ラッキー!」と喜んだ。もう1つ割った。また、黄身が2つ。「こんなことってあるのかしら?」――。中国新聞社が報じた。

 次の卵にも黄身が2つ。楊さんは、だんだん気味が悪くなってきた。

 思いあまった楊さんは、記者に連絡して、家に来てもらった。「これが最後の3つです」と言って、次々に卵を割った。どれも、黄身が2つ入っていた。結局、卵20個のすべてに、黄身が2つ入っていたという。

 楊さんによると、それでも最初の3つは食べたという。しかし、インターネットで調べたところ、鶏卵に黄身が2つ入っている確率は0.3%と紹介されていた。卵1つに黄身が2つ。それが20個連続。ありえない話だ。

 中国では食の安全についての問題や事件が多発している。楊さんは、成長ホルモンを使うなどで異常な状態で飼育された鶏が生んだ卵かもしれない」と思えてきた。恐くなり、残りの卵は食べられなくなってしまった。

 記者は、楊さんが卵を買ったというスーパーを訪れた。経営者はこともなげに、「そういうことは、あるかもしれないねえ」と語った。というのは最近になり、似たようなことを言ってくる客が、相次いでいるからという。

 それだけではない、中国ではこのところ「買った卵の多くに、黄身が2つ入っていた」という報道が相次いでいる。養鶏農家はいずれも「食べても、大丈夫です」と言う。

 福建省泉州市畜牧医局の林振勝副局長は「黄身が2つある卵には、ビタミンが多く含まれていますよ」と説明した。林副局長によると、親鳥が複数の黄身がある卵を生むのは何かに驚いたことがきっかけで、排卵が不規則になることが原因という。

 林副局長は、「技術的に、黄身が2つある卵を作るのは難しい」と説明。たとえできたとしても「コストがかかってしまいます」という。

 別の養鶏家によると、卵の選別の際に、大きい卵としてより分けられたものに、黄身が2つある卵が出現する可能性が高いという。また、繁殖用の卵の場合、光にすかして中身を検査するが、黄身が2つある卵は孵化(ふか)が困難なので取り除かれる。その卵をまとめて売却した場合には、「スーパーなどで買った卵すべてに黄身が2つあった」という事態はありえるという。(編集担当:如月隼人)