画集『あしあと 〜カントク アートワークス〜』の表紙画像

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 キュートな萌えキャラを作り出す、美少女イラスト作家の「カントクさん」にインタビューを敢行した。カントクさんは、現役の大学生で、ゲーム「アメサラサ」、アニメ「夏のあらし!」、雑誌「E☆2」等々、高校時代から多数のメジャータイトルにも作品提供をしてきた、注目の若手イラスト作家だ。

 インタビューの場所は、12月29日から3日間の開催で、50万人以上の来場者を集めたマンガの祭典「コミックマーケット77」の会場。彼が参加するサークルのブース内で話を聞いた。特定の描写にあえてこだわりを持たず、キャラクター・セクシー・リアル・コミカルなど幅広いジャンルの作品を手掛けてきた彼に、美少女イラストに触れたキッカケなど、ざっくばらんに語ってもらった。


――作家名が「カントクさん」となったのは?

カントクさん:名前を聞いて、不思議な感じがしますか? 不思議な名前の作家さんなら、他にもたくさんいらっしゃいます。僕の場合は、単純な方だと思いますね。知り合いの間で絵を伝えるとき、話し方が映画やビデオを作る「監督っぽいよね」という状況からです。冗談で「カントクさん…。カントクさん…」と呼ばれているうちに定着しちゃいました。

もちろん、最初のうちは戸惑いもありました。固有名詞じゃないから、オカシイですよね。名前としては良くないと思ったけど、定着した今では嬉しい気持ちがあります。

――ご自身の絵について説明していただけますか?

カントクさん:僕の絵を説明すると、誰にでも分かりやすい、カワイイ女の子を描くときもあります。でも、それだけじゃありません。雰囲気だったり、世界観を大事にしています。今回の本(同人誌のタイトル名:「柊」)の表紙もキャラクターがとても小さく描かれていて、背景ばっかりです(笑)。

色の統一感だったり、コントラストが強くキッパリしたものだったり…。いろんな絵があるのですが、ファンの皆さんには女の子以外の要素、シチュエーションから絵全体の雰囲気を感じていただいています。

――では、その方針がブレたりすることは?

カントクさん:あー、でも「こんな絵を描いてほしい」と言われたら、その気になって描いちゃいます(笑)。例えば「女の子だけで、背景は要らない。雰囲気よりも、カワイイ女の子を描いてほしい」と言われたら、"そういう絵も描きたい"と自然に思えてしまって、作業にとりかかります(笑)。

だけど、その中にも自分のこだわりを何かしら入れますね。"僕っぽさって何かな"って考えながら作業しています。