リールのDFアディル・ラミ(23)獲得にマルセイユが動き、選手本人も大いに乗り気だが、リール側は徹底拒否の構えを見せており、事態が紛糾しつつある。レキップ紙が報じた。

 ラミは2年前から頭角を現し、フランス代表のドメネク監督から数回にわたり招集を受けているフランス期待の大型センターバック(191センチ)。W杯開催前のシーズンに強豪マルセイユでプレーできるとなれば大きな飛躍のチャンスだ。しかしリールがオファーを拒絶していると知って激怒。13日には練習に参加しなかった。

 ラミが怒っているのは、数週間前にクラブから本人が希望すれば移籍を認めると言われていたためだ。ラジオ局RTLのインタビューに応え、「監督や会長は不正直。ウソをつくスタッフのためにプレーはできない」と厳しく批判している。

 さらに「マルセイユは1100万ユーロ(約14億5000万円)を提示してきている。ありえない額だよ。僕がそこまで高くないのは誰もが知っている。リールにしたら売り得じゃないか」とまで語った。レキップ紙によると、リールは2006年にアマチュアのクラブからラミを1万ユーロで買ったという。実に1100倍まで相場が跳ね上がったいうことだ。

 ビジネス面では大いに魅力のある話だが、ヨーロッパリーグの出場権を得たリールにすれば、守備の要を失うのは何としても避けたいところだ。リールの抵抗は理解に難くない。ところが、攻撃の要であるバストスのリヨン移籍は、そこまで紛糾せずに決まった。これもラミには納得がいかないのだろう。この事情には裏がある。というのもミシェル・セイドゥー会長には、ジェロームという兄弟がおり、リヨンの株主に名を連ねているのだ。

 このパイプのせいか、リールはこれまで、ボドメール、ケイタ、マクーン、さらにはピュエル監督までリヨンに“供給”しており、リヨンの“下請け工場”などと陰口を叩かれているほどだ。 一方、マルセイユのデシャン監督は14日、記者会見でラミの獲得をほぼあきらめたことを明らかにした。「ラミはマルセイユに来たがっているが、リールとの契約がある。ドアを無理矢理こじあけるわけにはいかない。どんなときも、選手にはクラブともめてほしくない。自分たちの選手にも同じことをしてほしくないからだ」と語り、代わりのDF獲得に力を注ぐ方針に切り替えることを仄めかした。