インタビュー:MEG「どう、試着してみる?」
自身がトータルプロデュースを手掛けるブランド「CAROLINA GLASER」のデザイナー、モデルとして数々の雑誌の表紙を飾り、今年10月にはメジャー移籍第1弾シングル「OK」を発表した“同世代のカリスマ”MEG。今月5日に、中田ヤスタカ(capsule)プロデュースによる待望のファーストアルバム「BEAM」を発表した彼女に、自身と音楽そしてファッションについて話を聞いた。
――MEGさんは音楽活動の他、モデル、デザイナーとしても活躍されていますが、元々は歌手になりたかったのですか?
MEG:上京してきた時は、漠然と周りにいない職業という感じで、すごく未知の世界というか、好奇心に近い感じでしたね。だから音楽だけをやりたいということでもないし。ファッション誌については、やると思っていなかったので、結構偶然というか、自分でも意外な展開なんですけど。「切っ掛けとして、音楽でやってみないか?」という誘いがあったので、最初になったという感じです。――小さい頃、将来なりたかった職業は何でしたか?
MEG:ものを作ったり、それが切っ掛けで人と話したり遊んだりできるのが好きだったから、何というのはなかったんですけど、人とやり取りができる仕事がしたいと思っていたので、そういう意味では今は一番いい形でやれているのかもしれないです。――実際に歌手としてデビューが決まった時に、どういうアーティストになりたいというイメージはあったのですか?
MEG:ほぼ無い感じで(笑)。それをやることによって、また何か違う景色が見られるんだったらやってみるか、という。音楽に関しては探り探りだったし、今は音楽も洋服もやっているんですけど、それだけが特別好きということでもなくて。生活している中で、音楽も洋服も「無くてもいいけど、あった方がもっと楽しいよね!」というものだったから。そういう位置感覚が今も一番リアルで、どっちがメインとかは無いんですけど。誰かに生活プラスアルファで楽しいものを作って届けることができて、尚かつ反応があれば、それは別に音楽であろうと洋服であろうと、あまり変わりない感じですね。――今年10月に発売されたシングル「OK」を聴かせてもらった時に、すごくポップでいいメロディだなと思っていたのですが、これは先にあったメロディに対してMEGさんが歌詞を書いたのですか?
MEG:そうですね、この曲をくれた蔦谷くんとは、4年ぐらい前に一緒にライブをやった時に友達になって。蔦谷くんがやっていたグループが解散した時に「今はこういう曲を作っているんだ」って、もらったディスクの中に入っていた曲で。その時に「すごくいいメロディだ!」と思ってその時にすぐ歌詞が浮かんだんですよ。でもそれからしばらくアレンジを誰に頼むかずっと悩んで置きっぱなしにしていて。去年から中田くんと一緒に作り始めて「これはもう中田くんだ」という感じで、こういうコラボレートになりました。――とっておきの曲を持ってきたわけですね。
MEG:実はこの「OK」は、「甘い贅沢」という一つ前のシングルよりも少し先に出来ていて。今年「Aquaberry」というアルバムを出したんですけど、それが出来上がったちょっと後ぐらいにはもうこの2曲はあったんです。その時、すごくライブをやりたかったし、「ライブでこういう曲があったらいいな」という2曲だったから、「甘い贅沢」はライブでやるために枚数限定でリリースしたんですけど、「OK」はもっと広い意味でたくさんの人に聴いてもらいたい曲だったから、このタイミングまで延ばした形になりました。――アートワークについてもこだわりが強いんだろうなと思っているのですが、“お尻ポスター”で話題になったジャケットは、ご自身のアイディアが反映されているのですか?
MEG:そうですね(笑)。「OK」の時も今回のアルバムもそうですけど、今はCDを持っていることが一つのファッションになったり、それが切っ掛けで友達と話ができたり、そういうアイテムという意味でのパッケージってすごく大事だなと思っていたから。「OK」は、「デビュー盤なので顔に寄りたい」みたいなレコード会社の意向もあったりして随分戦いました(笑)。でも、アレはどうしても足のつま先まで入れないとアートとして意味が無いから、無理矢理ワガママを通した所で。パッケージをよく見ると分かるんですけど、普通は紙帯が付いてるじゃないですか。でも、帯が入ると線が入っちゃって、ミリ単位でちょっとずれるんですよ。アレがすごく嫌なので、帯は付けないでシールに代えるみたいな。