「金儲けのためなら、商売はやめたほうがいい」松下幸之助も実践した“天地自然の法則”から名将・広岡達朗が導いた〈最強の仕事論〉
広岡達朗氏が繰り返し口にするのが、「天地自然の法則」という言葉だ。野球、健康、ビジネスに共通する「やるべきこと」とは何か。(ダイヤモンド・ライフ編集部)
――広岡さんが常に口にされる「天地自然の法則」とは、現代社会においてどう捉えればよいでしょうか。
この宇宙がなぜ成り立っているのか、完全に説明できる人はいません。
しかし、何かの規則が正しく働いているから、今日まで崩れずにいる。私はそれを「天地自然の法則」と呼んでいます。
人間も同じです。なぜこの世に生まれてきたのか。何のために生きるのか。そういうことを学ぶ義務がある。野球でも、私がやってきたのは特別なことではありません。やるべきことをやらせただけです。
ところが人間は、放っておくと楽なほうへ行く。飲みたい、遊びたい、怠けたい。だからこそ、やるべきことを教える人が必要なのです。
――病気や健康との向き合い方についても、その法則が当てはまるのでしょうか。
病気になったときに、すべてを人任せにしてはいけないと思います。もちろん医者に診てもらうことは大切です。しかし、自分の生活の中に原因はなかったか、何を改めるべきかを考えることも必要です。
食べ物でも、何でもおいしければいいというものではない。季節に合ったもの、体に合ったものを考える。昔は冷暖房も今ほどありませんでしたから、人間は太陽や季節の変化をもっと大事にしていました。
便利になったことは悪いことではありません。ただ、便利さに甘えて、自分の体の声を聞かなくなるのは危ない。病気は、自分の生き方を見直すきっかけにもなるのです。
――商売や仕事にも天地自然の法則は当てはまるのでしょうか。
商売を、金儲けのためだけにやるなら、やめたほうがいい。相手が喜ぶものを出す。これを買えば相手が助かる、喜ぶ。そういうことをやれば、金は後から入ってくる。これは松下幸之助も天地自然の法則に基づいた経営哲学を提唱していました。
昔、学歴は高くなくても商売をやらせたら大きく稼ぐ人がいた。火事で設備を焼失しても「自分たちに悪いところがあった。これからもっと注意して、また稼ぐ材料を作る」と言う。そういう人は強い。人のせいにせず、次に何をすべきかを考えるからです。
仕事も野球も、結局は同じです。相手に喜ばれることを、自然法則に従ってまじめにやる。結局、それが一番強い。
