湖の危険性「説明なし」 神奈川大付属高の元生徒、豪溺死訴訟の口頭弁論で

オーストラリアの湖で2019年、交流事業中に神奈川大付属高(横浜市)1年の男子生徒2人=いずれも当時(16)=が溺れて死亡したのは安全対策を怠ったためなどとして、遺族が同校を運営する学校法人神奈川大学らに計約2億5850万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が8日、横浜地裁(田中孝一裁判長)であった。被告の本人尋問があり、交流事業に一緒に参加した元生徒の男性は事前に学校側から湖の危険性に関して説明されていなかったと話した。
訴訟では、学校側や引率責任者の教諭らのほか、2人の至近距離にいた当時の生徒5人も救助義務を怠ったとして、遺族側が責任を追及している。
本人尋問で、元生徒の男性は、生前の2人を最後に湖で目撃した際の様子を証言。「少し前の方で胸のあたりまで漬かっていた」と振り返った。行方が分からなくなった後、水中ではなく湖周辺を探した理由については「当時は16歳だった。非常事態に遭遇したことがなく、(溺死を)全く想像していなかった」と説明した。
この日は当時の校長や副校長、常務理事らへの尋問も実施した。元校長は「(交流事業のための)下見はしていなかった」とした上で、「行程を精査し、生徒を湖で監視するなど旅行会社と事前に打ち合わせすべきだった」とも述べた。
訴状などによると、交流事業には生徒計15人が参加。男子生徒2人は引率教諭らと訪れたオーストラリアのマッケンジー湖で行方不明になり、翌日に湖底で遺体が見つかった。
