六代目山口組の司忍組長。(機関紙「山口組新報」より)

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 10年に及んだ分裂抗争終結から1年が経った六代目山口組。一方的な終結宣言だったこと、抗争相手の神戸山口組、絆會、池田組が健在だったことなどから警戒する見方も多かったが、以降、抗争は起きていない。実話誌記者が語る。

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「双方それぞれに事情はあるでしょうが、一番の狙いは『特定抗争指定暴力団』の解除で間違いない。警戒区域内では組員が5人以上で集まれないため活動もままならない。組員数で圧倒する六代目山口組の二次団体もシノギ(暴力団の経済活動)ができず、組員が上納金を払えない組織があると聞きます。

 最近も元直参組長が上納金の返還を組織に求めているという話が広まっており……苦しい組織も少なくない。暴排条例との"二重規制"を解除しなければ組織が成り立たなくなる。そうした危機感を抱いている上層部も少なくないと聞きます」

 2000年代後半〜2010年代前半に渡って発生した福岡県に拠点を置く道仁会(久留米市)と九州誠道会(当時。大牟田市)の抗争では、抗争終結後1年で特定抗争指定は解除されている。

 六代目山口組と神戸山口組に関しては、警察当局は厳しい姿勢を崩さず3月19日にも公安委員会が特定抗争指定の指定期間を延長している。警察関係者は実情をこう指摘する。

「警察は山口組が他組織の看板を借りて活動するのではないかと警戒している。今年3月、東声会(本部・六本木)で代替わりが行われ、六代目山口組の中核組織・弘道会の小澤達夫若頭補佐が就任した。いくら東声会が田岡一雄三代目からの親戚団体といえど、いきなり山口組の組員がトップに就任するのは前代未聞だ。

 小澤新会長は弘道会でもシノギが上手かったという。山口組の看板を外して関東に本格進出するのではないか。他組織に対しても同様の動きがあるのではないかという見方は強い」

 これまで山口組は他組織との抗争で勢力を拡大してきたが、今の山口組は他組織との「共存共栄」を図っていると言われている。

「竹内照明若頭が精力的に外交に出向いています。東声会の盃だけでなく、4月に行われた指定暴力団・福博会(本部・博多)の代目継承盃儀式にも出向いている。稲川会、住吉会との会合にも顔を出すなど関係作りを重視しているように見える。

 先日、火災で亡くなった沖縄・旭琉會の糸数真会長のお別れの会にも姿を出すでしょう。先代の高山清司相談役は持病や長年の懲役もあったとはいえ、外交の場に出向くことはそこまで多くはなかった。

 山口組の上層部は"ヤクザ業界全体が協力しないと共倒れになる"という危機感を抱いていると言いますが、警察が警戒するのも当然です。このあたりの駆け引きに今後、強い関心が寄せられるでしょう」(前出・実話誌記者)

年内にも大幅な人事が……

 一方、六代目山口組は組織内にもメスを入れている。竹内若頭就任後、若手組長を登用し、各組織で総裁制を導入するなど大幅に組織を刷新している。

 実話誌記者は「あくまで噂ですが」と前置きした上で、「年内にも大きな人事が行なわれる」と指摘する。

「濃厚なのが現在、『幹部』の野内正博・弘道会会長の若頭補佐昇格、執行部(若頭、本部長、若頭補佐らで構成され、組織運営を担う)入りだと言われています」

 野内会長は昨年9月に弘道会会長に就任し、直参組長となった。年末の事始めで司組長と親子の盃を交わしたばかりだが、今年3月に「幹部」に昇格したばかりだ。

「仮に年内に野内会長が若頭補佐に昇格したら、前代未聞の昇格スピードです。確かに弘道会は司組長、高山相談役、竹内若頭の出身母体で資金力も組員数も圧倒的です。10年に及んだ分裂抗争はこの"弘道会体制"への反発が大きかったが、当時以上に弘道会体制を強化することになる。

 当然、竹内若頭もその懸念はあるでしょうが、それ以上に組織への危機感を抱いている証左でもある。噂されている"七代目誕生"は野内若頭補佐が誕生した後でしょうが、そう遠くはないのではないか」(同前)

 世間は暴力団に厳しい視線を注いでいる。日本最大の暴力団はどう舵を切るか。