自衛隊の公式Xより

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政府は、自衛隊幹部の階級呼称を変更する方針を固めたようだ。将官の中で、陸海空自衛隊それぞれのトップとなる幕僚長らは「大将」、それ以外の将は「中将」、将補は「少将」。

佐官は1佐、2佐、3佐が大佐、中佐、少佐、尉官は1尉、2尉、3尉が大尉、中尉、少尉だ。外国の軍人の呼称は、大将、大佐、大尉などと呼称しながら、自衛隊は軍ではないからと言って、その呼称を使わなかった。だから、これを修正するのは当然のことであり、今回の呼称の変更を歓迎したい。

しかし、公表された内容をよく見ると、これは幹部自衛官の名誉欲を一部改善する効果はあるものの、中途半端な変更だと思わざるを得ない。どうして下士官以下の呼称も変更しないのか。自衛官が「名誉と誇りをもって働ける環境」を整え、人材確保につなげると言いながら、軍曹、二等兵などと変更すれば、旧日本軍の負のイメージが広がる可能性があると判断したとか。

政治家たちは旧日本軍が悪い軍だったと思っているのだろうか。それこそが現在の日本国民がとらわれているトラウマであり、日本復活を妨げていることに気付くべきだ。旧日本軍は軍紀厳正な世界に誇れる立派な軍であった。旧日本軍が悪かったというのは、戦後東京裁判によって日本国民に植え付けられた残滓(ざんし)なのだ。

自衛隊を正規日本軍と位置付け、自衛官に名誉を与えるべき

さらに陸上自衛隊の普通科や特科なども、歩兵科とか砲兵科とかに変更したらよかろう。幕僚という戦後の呼称も参謀に修正したらよい。せっかくの改正なのだからすべて元に戻したらよい。

それができないのは政治家が東京裁判史観に毒され、旧日本軍を悪の存在と見ているからなのだ。今回の改正は自衛官の募集が困難になり、人材確保のためという背景がスタートである。それならば政治家の旧軍、そしてそれにつながる自衛隊に対する敬意が必要なのだ。

我が国の政治家は、諸外国と異なり安全保障に対する理解度が低く、自衛隊の仕事など「あんな汚い仕事は誰かにやらせておけばよい」という感覚の人物が多い。政治家がそうだから一般国民の自衛隊に対する敬意が深まるわけがない。

幹部自衛官の呼称の変更だけで終わってもらっては困る。自衛官の処遇改善も重要であるが、最も大事なことは自衛官に名誉を与えることだ。人は名誉を与えられることなしに命を懸けることはできない。

憲法改正をするか自主憲法を制定し、自衛隊を正規日本軍と位置付けることが自衛官に名誉を与えるということだ。そして、それこそが最重要な処遇改善なのである。陸海空自大将、陸海空自大佐、陸海空自大尉から陸海空軍大将、陸海空軍大佐、陸海空軍大尉に呼称を変更するように政府には頑張ってもらいたい。

戦後80年も経つのにいまだに戦後の占領基本法である日本国憲法を保持していることは恥ずかしいことだ。

第29代航空幕僚長 田母神俊雄