5月5日は「自転車の日」。こどもの日の認知とは比べるまでもないが、新緑の美しい今は、サイクリングに適していることに間違いない。また5月は自転車月間として、全国各地でプロレースやホビーレース、ロングライドなどのサイクリングイベントも行われている。

とはいえ、ゴールデンウィークのイベントはエントリーが間に合わないし、遠くまでいくサイクリングにしても、渋滞に巻き込まれるのは避けたい。そんな悩みを解決してくれるのが、近郊で楽しむサイクリングだ。中でもオススメは家族で楽しめ、世界的に人気が高まりつつあるパンプトラックだ。

飛行場のすぐ隣でMTBを思いっきり楽しもう!

パンプトラックとは

パンプトラックとは、人工的に作られたウェーブ状の凹凸と、斜度のあるバンクコーナーを組み合わせたコースのこと。ペダルを漕がずに荷重移動だけでリズミカルに走れるのが特徴で、カラダを上下に動かし、バイクを押したり、引き上げたりするパンピングというテクニックを使う。コースは施設によってオフロードと舗装路があって、舗装されている施設ではスケートボードにも開放されていることが多い。なお、舗装コースであっても、使う自転車はオフロード用バイクが適している。

パンプトラック(大)をスタート地点から

コーナリングを練習するコースも

むずかしそう……と思うかもしれないが、それは間違い。パンプトラックは各国の自転車学校でも取り入れられており、子供が自転車を乗りこなす基本技術を学ぶのに最適と言われている。

温泉の他、レンタサイクルやカプセルホテルも併設されている

成田国際空港のすぐ隣でMTBを楽しむ!

訪れたのは成田国際空港近く、「空の湯」に併設された成田空港スカイライドMTBパーク。プロMTBライダーの高橋大喜さんがプロデュースしたコースは、初心者でも気軽に挑戦しやすいミニパンプトラックから、バンクを使ったコーナリングを練習できるコーナリングコース、レベルに応じて3種類のダートジャンプが楽しめるパークだ。

受付は空の湯の隣にある「空輪」で行う。コースの使用料は1日2,000円(小学生以下500円)。1時間単位で料金が設定されている施設もあるが、スカイライドMTBパークは思う存分、休憩を入れながら好きなだけで走れる。

自転車は持ち込みも可能だが、レンタサイクルもある。大人用のMTBのほか、子供用もあるので親子で一日遊べる。レンタサイクルにはグローブとヘルメットのレンタルも含まれる。

4種類のコースが楽しめるスカイライドMTBパーク

コース利用料:大人2,000円、小学生以下500円(1日)

MTBレンタル:大人用2,000円、子供用1,000円(1日)

プロテクターレンタル:300円

駐車場:パーク併設は無料、空の湯ゲート内は受付に駐車券提示で1日無料

走ってくれたのは初心者だというスタッフ

気持ちよさそうにコースを駆け抜けていく

筆者は自転車ライターだが、あくまでもオンロードが専門分野。オフロードに関しては初級者同然。MTBで山を走るとなったら、前の晩から緊張してしまうだろう。そんな私でも、スカイライドMTBパークのハードルは、思いの外高くなかった。

MTBを借り、サドルをいちばん下に。これは荷重を移動しやすくするためで、早速、パンクトラックコース(大)に挑戦した。スタート地点から見る景色は、コースサイドで見ているよりも高低差を感じず、最初は小さなコブが連続している。

ペダルを漕いでスタートし、あとはコブを登るときはペダルの上に立ち、下るときはハンドルを下に押しつける。上手にできるとMTBは想像以上に加速しながら、前へ前へと進む。

ペダルを漕がなくても加速できるのは、公園のブランコと一緒。スノーボードやスキーをする人なら、コブを上がるときは抜重、下るときは荷重。そういえば、感覚が分かるだろう。自転車が加速していく感じもブランコに似ている。

怖くもないし、簡単じゃん。

と思ったのもつかの間。ロードバイクではほとんど意識しない体重移動を、パンプトラックでは常に、しかも大きくやり続ける。上手くできると加速するので、上手くできるほどに次のコブがむずかしくなる。

コーナーはスピードが高いほど、斜面の高いところを使えるし、安定する。身体をかがめるようにして、シュッとコーナーを曲がれたときはロードバイクでは味わえない快感がある。

こんな感覚を山で体験しようと思ったら、相当に練習しないといけないだろう。パンプトラックはプロが考えた安全なコースなので、普通に走るだけなら怖くない。上手くできたと思うと、失敗する。この反復によって、自分が少しずつ上手くなっているのを感じられる。ただ、ペダルを漕いでいないのに運動量は多いので、1周すると息が切れ、汗を掻く。

パンプを終えたら開放感満点の露天風呂へ!

そして、このコースのもう一つのお楽しみが、走行後のお風呂。

「空の湯」は開放感満点の露天風呂に浸かりながら、成田空港に離着陸する飛行機を観ることができる。飛行機ファンには有名なお風呂は温泉となっており、地下1,000mから湧き出る強塩泉の泉質は温泉成分が身体に染み込みやすく、保温効果が持続するそうだ。

夕暮れ時は絶景となる露天風呂

前泊も後泊にも便利なカプセルホテル

他にも岩盤浴などもあり、ゆっくりと疲れを癒やすこともできる。さらに、カプセルホテルも併設しており、渋滞を回避するために前泊したり、そのまま泊まって、翌日に帰ったりすることも可能だ。

実はスカイライドMTBパークは穴場であり、ゴールデンウィーク中も混雑を避けて楽しめる。一人で遊びに行くのも良し、家族を一緒に誘うのも良し。パンプトラックで新しい体験をしてみよう。

空輪にはMTB以外にスポーツe-bikeや、タンデムといったレンタルサイクルもある。普段は航空ファンが周辺を散策するのに利用するらしいが、本格的なサイクリングをするにも適したエリアだ。月に2回は空輪オーナーも参加するツーリングイベントも開催されている。

レンタルサイクルも行っているので手ぶらでOK!

菊地武洋 きくちたけひろ 自転車ジャーナリスト。80年代から国内外のレースやサイクルショーを取材し、分かりやすいハードウエアの評論は定評が高い。近年はロードバイクのみならず、クロスバイクのインプレッションも数多く手掛けている。レース指向ではないが、グランフォンドやセンチュリーライドなど海外ライドイベントにも数多く出場している。 この著者の記事一覧はこちら