参院予算委員会に臨む高市首相(左)(27日、国会で)

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 高市首相は27日の参院予算委員会集中審議で、再審制度見直しに向けた刑事訴訟法改正案を巡り、与党内での改正案修正の議論を見守る考えを示した。

 与党内の反対で政府の改正案提出が大幅に遅れているが、自らが政治決断することには慎重な発言を繰り返した。

 首相は「与党の議論も踏まえ、法案を提出できるよう努力している最中だ。私一人の政治決断で決めていいことではない」と述べた。立憲民主党会派に所属する無所属の泉房穂氏が「法務省任せではなく、首相自らが政治決断すべきテーマだ」とただしたのに対し、答弁した。

 法務省が作成した当初の改正案では、再審開始決定に対する検察官の不服申し立てを維持していた。3審制の下で確定した有罪判決が1回の決定によって覆されると、「法的安定性」が揺らぐとの懸念からだ。自民、日本維新の会両党の反発を受け、法務省は不服申し立てを原則禁止する方向で検討しているが、申し立ての余地は残そうとしている。与党内には全面禁止を求める声が根強い。

 首相は「様々な意見を踏まえながら適切な制度改正が実現するように作業を進めていく」とも語った。同時に、「意見が分かれている中、私が『これに従ってください』ということを、与党に対してでも申し上げるべきではない」と述べ、与党内の議論を引き続き見極める意向を示した。

 自民は時間をかけて議論する必要があると判断し、法案修正について話し合う会議の開催を月内から5月に延期した。首相は「今国会で成立を目指すという私の立ち位置は変わっていない」と強調したが、会期内の成立に向けた期限は近づいている。党内では「首相の指示がない限り、法務省が法案をこれ以上修正することはないだろう」(法務部会幹部)との見方が広がっており、意見集約は難航しそうな情勢だ。