中古住宅の内見中、壁や基礎に「ピキッ」と入ったひび割れを見つけると、一気に不安になりますよね。「この家、大丈夫かな?」「欠陥住宅かも……」と。
しかし、その場での指摘の仕方を間違えると、売主さんの感情を害し、最悪の場合は「あなたには売りたくない」と取引自体が破断してしまうリスクがあるのをご存知でしょうか。
今回は、建築士・ホームインスペクターである、さくら事務所取締役の友田雄俊さんと、らくだ不動産の不動産エージェントの村田洋一さんが、中古住宅取引の現場で起きている「ひび割れ」を巡るリアルな心理戦と、賢い交渉術を語ります。

■ 1. 売主と買主の「温度差」を知る
ひび割れに対する認識は、住んでいる売主さんと、これから買う買主さんの間で驚くほど異なります。
・売主さんのホンネ: 「もう何十年も住んでいるけど、雨漏りもしてないし生活に支障はない。中古だからこれくらい普通でしょ」と、悪気なく気づいていない、あるいは気にしていないことがほとんどです。中には、愛着のある我が家を否定されたようで、ムッとしてしまう方もいます。
・買主さんの不安: 「このひびは構造上の問題? 直すのにいくらかかるの?」と、一生に一度の買い物だからこそ、どうしてもナーバスになりがちです。
この温度差を理解せずに、内見中に「あそこにひびがありますね!」と詰め寄ってしまうと、売主さんとの関係にひびが入ってしまうのです。

■ 2. 「中古だから当たり前」という言葉の罠
仲介会社の営業マンがよく使う「中古住宅ですから、これくらいは範囲内ですよ」という言葉。これは取引を円滑に進めるための便利なフレーズですが、鵜呑みにするのは危険です。
・ひび割れは「程度問題」: 単なる乾燥によるクロスのひび(表面的なもの)なら良いですが、基礎を貫通するひびや、そこから雨水が侵入して雨漏りを引き起こしているケースも実在します。
・エージェントの質が問われる: 「中古だから」で片付けるのではなく、「なぜこのひびが起きているのか」「リスクはどれくらいか」をプロの視点で助言してくれるパートナーを選ぶことが重要です。

■ 3. 破談を避ける「第三者(ホームインスペクター)」の活用法
直接指摘するとカドが立つひび割れ問題も、第三者の専門家(ホームインスペクター)を介すと、驚くほどスムーズに解決します。

チャンネル情報

さくら事務所は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」を目的として、創業者・現会長の長嶋修が設立した、中立・公正な業界初の個人向け総合不動産コンサルティングサービス企業です。