「薄すぎて…透けるトン」しゃぶ葉、肉が薄すぎて炎上→謝罪…でもファンは「物価高で食べ放題なんだから」とフォロー…「薄いのは悪か?」

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しゃぶしゃぶ食べ放題のチェーン店「しゃぶ葉」で提供された豚肉の薄さをめぐり、「薄すぎる!」「透ける豚(トン)」などとSNS上で拡散され波紋を呼んでいる。運営する、すかいらーくホールディングス広報室は「一部店舗で提供基準と異なる状態で提供されていた」ことを謝罪する事態となった。しかし取材を進めると、これは単に店の問題とは言い切れない「令和の豚肉不足問題」があった。

【画像】本来ならばこの厚さなのか…「いい肉の日」に豚肩ロースに関するクイズを出すしゃぶ葉

Xで拡散「ステルス豚肉」…「しゃぶ葉」ファンの本音

X上に「ステルス豚肉」と投稿されたのは4月18日のことだった。

投稿主は「薄くて透けてるけど、しゃぶしゃぶすると普通に白い肉になるのでとても楽しかった」と投稿しており、味に影響はなかったようだが、結果的に運営会社が謝罪する事態となった。

「しゃぶ葉」では肉を塊の状態で仕入れ、最適な規定値を設けて、各店舗で一枚一枚スライスされる形で提供されているという。だが今回提供されたものは規定値を満たしてないものだったようだ。

一体、なぜこのようなことが起きたのか。外食ビジネスアナリストの三輪大輔氏は言う。

「『しゃぶ葉』では2026年3月31日、スペイン産豚肉の輸入一時停止を受け、品質を維持した『豚バラ』の安定供給が困難になったことから、豚バラの提供休止しを発表しました。

JA全農ミートフーズの統計によれば今年2月の輸入通関実績は、豚肉全体で65.5千トンと前年比91.1%となっています。

これによる物価高は深刻で、ブランドとして守りきれないものが出てきてもおかしくない状況にあります」

つまり物価高だけど「食べ放題」を掲げているため、 コスト圧力や供給不安の影響を受けたという可能性がある。

しかし、長年「しゃぶ葉」に通うファンからすれば「近年高騰している豚肉をたらふく食べられるのだから、それをありがたくいただくべきでは」といった声も上がっている。

現に一部のしゃぶ葉ユーザーはその満足感を口にしている。

「『しゃぶ葉』の大ファンで長らく通っています。食べ放題ですから、これまでもお代わりを重ねるごとに肉の薄さが目立ち、どんどん薄くなる現象を目にしたことはありましたが、『しゃぶ葉』ならではの、もじゃもじゃした香味野菜を挟んで食べたら満足感がありますよ。

もちろん、これまでも下の黒いトレイが透けて見えるくらい薄切りの肉が出てきたことだってあるけど、しゃぶしゃぶしたら白い肉になる。スライス技術も『しゃぶ葉』は上がっていると思います」

「豚の値段が上がり続けている」

都内のスーパーの経営者も、足元の豚肉価格は高水準だという。

「ここ20年、いやそれより遡っても、豚肉は今が最高値になっていますね。

輸入肉だけでなく国内においても去年の猛暑の影響を受けて子豚が生まれなかったことや夏バテで餌を食べられずに規定の重さに達せず、出荷できない豚も増えて、豚の値段が上がり続けているからです」

前出の三輪氏も「現在の物価高を鑑みれば、ブランドによっては商品構成そのものを見直さざるを得ない局面に入っていると言える」という。

「『しゃぶ葉』を運営する『すかいらーくグループ』は食べ放題の業態に強みがあります。グループ全体で約3,000店舗という規模を背景に、産地やメーカーから直接、有利な条件で食材を調達しています。

自社のセントラルキッチンで一括加工し、全国10カ所の拠点で調理・加工を行うことで店舗の作業を簡略化しつつ、人件費の抑制と品質の安定を両立しています。

さらに、自社物流網で毎日1,000台以上のトラックを巡回させることで、配送コストを抑えながら安定供給を実現しています」

そんな中でも「しゃぶ葉」は、2000年に第一号が生まれた「しゃぶしゃぶ温野菜」よりも後発ながら一気に市場を席巻したグループでもある。

「『すかいらーくグループ』はドリンクバーや呼出ベルをいち早く導入してきた企業であり、そうした開拓者精神は『しゃぶ葉』でも生かされています。

平日ランチの無制限や、タレや薬味を自由に選べるカスタマイズ性などが受けて『しゃぶしゃぶ温野菜』が切り開いたリーズナブルなしゃぶしゃぶレストラン市場に対して2007年に一号店ができるなど後発ながら一気に席巻したのです。

グループ内でも業態転換などを進めながら、成長してきたブランドです」(前出・三輪氏)

豚肉価格の高騰が続き、家庭では「高すぎて手が出ない」との声も広がるなか、比較的リーズナブルな価格で肉を楽しめるしゃぶしゃぶ食べ放題業態の存在感は高まっている。

 『しゃぶ葉』が公式的に謝罪した翌日21日、記者も都内の店舗を訪れた。提供された豚ロースはトレーが透けておらず、いつもの肉に戻っていた。

薄いと不平を言うよりも、いただけるお肉のありがたみに感謝する気持ちが大事なのかもしれない。

取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班