ふるさと納税での屋内練習場建設計画に協力したオリックスの片山楽生(写真=北野正樹)

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 夢が実現する――。オリックスの片山楽生投手が、地元・北海道音更(おとふけ)町で計画されている「全天候型屋内練習施設」の建設に向け呼びかけていた、ふるさと納税の寄付金が目標の5000万円を達成し、実現に向け大きく前進した。

 「ありがたいですね。宮崎キャンプでもファンの方から『ふるさと納税しましたよ』という声を何度もかけてもらって」。目標額達成に、片山はファンへの感謝の気持ちを表した。

 屋内練習場は音更町が計画し、2025年に同町で設立されたスポーツ・地域振興を担う「アスリートベース十勝」(杉本直己代表)が運営主体となって推進するプロジェクト。同町は十勝平野に広がる帯広市のベッドタウンで、人口は約4万3000人と道内の町村で最も多くスポーツも盛ん。しかし、冬季はマイナス20度を超え積雪も多く、野球などの屋外スポーツは大きなハンディキャップになっていた。町では「どこで生まれたかを夢の足かせにしない」を合言葉に屋内練習場の建設を決め、2025年11月1日からふるさと納税での資金募集を始めた。

 片山は同町出身で、白樺学園高(北海道)、NTT東日本から2024年ドラフト6位でオリックスに入団。多彩な変化球を武器に打たせて取る投球で、プロ1年目の昨季は1軍で21試合に登板し、1勝0敗1ホールド1セーブ、防御率2.10でAクラス入りに貢献した。

 ふるさと納税は、当初の1か月半で約1000万円だったが、片山が協力していることがオリックスファンの間で広まってから増え始め、1月初旬には3000万円を突破。最終的には、1967人から5010万2730円(達成率100.2%)が寄せられた。

 北海道大軟式野球部OBの杉本代表は「達成させないといけないという使命があっただけに、目標額を達成することができてうれしい限り。これだけ期待されているので、プロジェクトを成功させたい」と意気込む。総事業費は約2億円で、今後、賛同した企業が使い道を選べる「企業版ふるさと納税」なども視野に入れプロジェクトを進める方針で、今年12月の施設完成を目指す。

 片山は開幕1軍を逃し2軍で調整。当初は「出力(球速)を追い求めていったら、体を振ったりしてコントロールがアバウトになってしまった。走者を背負っての投球が多く、しのいでいる感じ」と手探りの状態が続いていたが、徐々に感覚をつかんできた。5試合登板で0勝1敗、防御率1.61と安定した成績を残し、4月21日に1軍昇格を果たすことができた。実現する屋内練習場で冬のハンディキャップを克服し、高みを目指す子どもたちのためにも、1軍で輝き続ける。

取材・文=北野正樹