「インプラントオーバーデンチャー」がどんな人に向いているかご存知ですか?【医師解説】
噛みにくい・外れやすいといった入れ歯のストレスを解消する方法として「インプラントオーバーデンチャー」という治療法が注目されています。数本のインプラントで入れ歯を固定するこの方法は、実際に治療を受けた人からも「入れ歯が安定した」「食事が楽しくなった」という声が多く寄せられているようです。そこで今回は、インプラントオーバーデンチャーはどのような人に向いているのかについて、「横浜駅西口デンタルオフィス」の大羽先生に解説していただきました。
監修歯科医師:
大羽 陽樹(横浜駅西口デンタルオフィス)
九州大学歯学部卒業。その後、産業医科大学病院歯科口腔外科、都内歯科医院などで勤務医として経験を積む。2019年、神奈川県横浜市に位置する「横浜駅西口デンタルオフィス」の院長に就任。JIAD口腔インプラント認定医。日本口腔インプラント学会、日本顕微鏡歯科学会、日本口腔外科学会の各会員。
編集部
インプラントオーバーデンチャーに年齢の制限はありますか?
大羽先生
年齢による制限はとくにありません。80~90代でもご希望があり、全身状態が良好であれば治療は可能です。ただし、インプラント治療の適応については、骨の状態や糖尿病など全身疾患の有無を慎重に確認する必要があります。
編集部
高齢者の場合は、「持病や体調面が心配」と感じることもあると思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?
大羽先生
たしかに、高齢者はなんらかの全身疾患を持っている場合が多いため、安全に治療を進めるうえでは十分な事前診査が必要です。具体的には、かかりつけの医科の先生にインプラント手術が可能な全身状態かどうか、さらに服用されている薬の影響などについて事前に確認し、治療の可否を決定していきます。
編集部
顎の骨が痩せている場合でも、インプラントオーバーデンチャーの治療は受けられますか?
大羽先生
骨が痩せている場合でも、基本的に治療は可能です。現在は骨を造成する技術が大きく進歩しているため、骨の状態だけを理由に「絶対にできない」ということはありません。
編集部
以上の特徴を踏まえると、インプラントオーバーデンチャーが向いているのはどのような患者さんですか?
大羽先生
最も恩恵を受けやすいのは、従来の入れ歯に不便さを感じている人でしょう。入れ歯の使用経験があり、その特性を理解したうえで「入れ歯をもっと安定させたい」「しっかり噛めるようになりたい」という人に適しています。反対に、入れ歯を使った経験がない人の場合、初めての入れ歯でインプラントオーバーデンチャーを選択することはあまりおすすめできません。
編集部
入れ歯が未経験の人にあまりおすすめできないのは、どのような理由からでしょうか?
大羽先生
インプラントに固定するとはいえ、やはり入れ歯なのでご自身の歯とは異なる違和感が残ります。そのため、初めての入れ歯としてインプラントオーバーデンチャーを選択しても、十分な満足感が得られない可能性があります。したがって、費用面の制約がある場合を除いては、インプラントオーバーデンチャーを第一選択肢にすることは推奨していません。
※この記事はメディカルドックにて<入れ歯で“よく噛めない人”は必見!「インプラントオーバーデンチャー」が向いている人の特徴を歯科医が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
